研究課題/領域番号 |
17591332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 康雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50283784)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アディポネクチン / レプチン / 乳癌 / 肥満 / 易罹患性 |
研究概要 |
肥満女性では乳癌のリスクが上昇し、乳癌の予後は不良である。その原因として、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインが乳癌の発生や進展に影響する可能性が示唆される。本研究ではアディポサイトカインのうちアディポネクチンとレプチンに着目し、乳癌の発生や進展に関与するかどうかを検討した。 肥満に伴い血清アディポネクチンが低下すると、乳癌の易罹患性が上昇することが報告されている。そこで、アディポネクチンが正常乳腺や乳癌細胞に直接影響を及ぼしているかどうか明らかにするため、正常乳腺細胞、乳癌細胞におけるアディポネクチン受容体1および2の発現を免疫組織染色によって検討した。その結果、正常乳腺細胞、乳癌細胞いずれにおいてもアディポネクチン受容体1および2の発現が認められた。従って、アディポネクチンは正常乳腺細胞、乳癌細胞に対して、直接作用を及ぼしている可能性が示唆された。 次に血清レプチンレベルが、乳癌の発生や増殖に影響しているかどうか検討した。乳癌患者、健常女性それぞれ104人を対象にケース・コントロール解析を行った結果、血清中のレプチンレベルに有意差は認められず、ロジステック解析によってもレプチンの血清レベルと乳癌の易罹患性に有意な相関は認められなかった。さらに、血清レプチン濃度、乳癌組織におけるレプチン受容体の発現量が、乳癌の予後と相関するかどうかを検討した。その結果、レプチン受容体L (long form)とS (short form)の両方の発現量が高い群では、予後は有意に不良であった。さらに、血清レプチン濃度の高い群においてレプチン受容体LとS両方の高発現群が予後不良であった。 今回の検討によって、アディポネクチンとレプチンが乳癌の発生や増殖に影響を及ぼしていることが明らかにされ、アディポサイトカインを標的とした乳癌の治療法や予防法の開発につながる可能性が示唆された。
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