研究課題/領域番号 |
17591339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒木 祥司 九州大学, 大学病院, 講師 (30215090)
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研究分担者 |
中村 雅史 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30372741)
森崎 隆 九州大学, 大学院医学研究院, 非常勤講師 (90291517)
久保 真 九州大学, 大学病院, 助手 (60403961)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 乳癌 / エキソゾーム / 遺伝子導入 / 機能分子 / 人工抗原 / ワクチン療法 / 細胞間伝達 / 遺伝子治療 / 制御性T細胞 / 伝達物質 |
研究概要 |
本研究の最終目標は、乳癌細胞の分泌するexosomeの生物学的機能を解析し、乳癌治療へ応用することである。 成果をまとめると、乳癌細胞由来exosomeが1)乳癌細胞の増殖を促進すること、2)抗原となる種々の蛋白分子を発現していること、3)制御性T細胞の寿命を延長させる可能性などが判明した。さらに、4)樹状細胞に遺伝子導入することにより任意の蛋白をexosome上に発現しうる可能性が示された。 以下に、本年度の成果の概要を記載する。 1.乳癌細胞はexosomeを分泌し、MHC class I、HER2、Hsp70、Hsp90など免疫関連分子が高率に発現していることが判明した。 2.乳癌細胞は、1%人アルブミン添加培養液あるいは血清無添加培養液中においてもexosomeを分泌する。したがって、治療用exosomeの調整は可能である。 3.治療用exosome作成には抗HER2抗体結合ビーズによる精製法の有用性が確認された。 4.癌性腹水中のexosomeが制御性T細胞に対する細胞寿命延長作用を有することが示唆された。 5.HER2陽性乳癌分泌exosomeがHER2陰性乳癌細胞表面へ結合することが確認できたが、遺伝子導入によるexosome上へのHER2分子発現誘導は成功していない。 6.HER2陽性乳癌分泌exosomeは、自己の乳癌細胞の増殖を促進した。これは、exosome上の分子が機能分子として働いていることが示唆するデータである。 7.樹状細胞への遺伝子導入によりexosome上にCEAの発現を確認した。 以上、exosomeの乳癌治療への応用の可能性を示唆する新たなデータが得られた。
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