研究課題/領域番号 |
17591342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80364090)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
堀田 司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50244744)
松田 健司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30398458)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 樹状細胞 / ユビキチン / アデノウイルスベクター / CEA / アデノウイルベクター |
研究概要 |
樹状細胞(dendritic cell ; DC)は強力な抗原提示能を有し、効率的にT細胞を活性化し、微弱な免疫応答を賦活することができる。したがって、癌免疫療法においては極めて重要なtoolとして注目されている。 本研究では,消化器癌において発現頻度の高いヒト腫瘍抗原CEAの遺伝子とユビキチン(Ub)遺伝子の融合遺伝子をヒトDCにアデノウイルスベクターを用いて導入し,このDCで誘導したCTLの抗腫瘍効果を検討した。まず、DC-AxCACEAとDC-AxCAUbCEAの場FACS解析および免疫染色によるCEAの発現を検討したところ、C-AxCACEAで強発現であったが、DC、AxCAUbCEAでは発現は微弱であった。一方で、プロテアソームインヒビター(MG132)で処理したところ、両者ともにCEAは強発現していたことから、UbCEAの融合遺伝子ではCEAのプロテアソームによる蛋白分解が促進され、効率にペプチドが発現していることが示唆された。また、C-AxCACEAとDC-AxCAUbCEAをそれぞれstimulatorとし、responderをwhole PBMCとして1回刺激でCTLを誘導した。Targetとしてautologous EBV-LCLを用いた。細胞傷害活性の検討は^<51>Cr遊離試験でおこなった。その結果、DC-AxCAUbCEA群で細胞傷害活性が増強される傾向がみられた。さらにCTLからMACSでCD8^+T cellをソーティングし、DC-AxCACとEAとDC-AxCAUbCEAと反応させたところ後者において有意にINF-_Yの産生量が増加した。結果としてUbCEAの融合遺伝子ではCEAのプロテアソームによる蛋白分解が促進され、MHC classI拘束性の抗原提示を増強していることが示唆された。 また、さらなる、強力な抗腫瘍効果を証明するために、ワクチン投与時のDCの成熟因子別にCTL誘導能の増強効果を検討し、その結果、OK432により刺激したDCにより得られたCTLが最も強い傷害活性を示した。以上の結果から、ユビキチン遺伝子、腫瘍抗原遺伝子の融合遺伝子の導入・およびOK432刺激によるDCの成熟を利用した癌ワクチン療法の消化器癌に対する有用性が明らかとなった。 以上、研究期間中において、若干の修正を必要としたが、ヒト腫瘍抗原CEAに対する高い抗腫瘍効果を来す癌ワクチン療法のシステムを確立した。今後、さらに高い抗腫瘍効果を示す免疫遺伝子治療の研究の継続を行う予定である。
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