研究課題
基盤研究(C)
【背景と目的】食道癌関連抗原をSEREX(serological identification of antigens by recombinant cDNA expression cloning)法により同定・機能解析を行い、腫瘍マーカーとしての意義を明らかにする。【方法】食道癌細胞株T.TnよりcDNAライブラリーを作製し、食道扁平上皮癌患者血清を用いてSEREX法によるスクリーニングを施行した。SEREX法は癌細胞由来のcDNA発現ライブラリーの中から患者血清中のIgG抗体が認識する抗原遺伝子を同定する方法であり、癌抗原のスクリーニング法として優れている。SEREX法を用い食道扁平上皮癌患者血清をスクリーニングし、新規の癌抗原としてmyomegalinを同定した。Myomegalin cDNAをGST-融合タンパク質発現ベクターpGEXに組換え、合成された融合タンパク質を精製してELISA法により血清抗体のレベルを測定した。【結果と考察】myomegalinに対する抗体価は健常者血清に比べ、患者血清において有意に高いことが判明した。食道扁平上皮癌患者における血清myomegalin抗体陽性率は47%(43/91)であり、健常者対照群における陽性率は2.2%(1/45)であった。また、血清myomegalin抗体の存在は良好な予後と相関関係有することがわかった。血清Myomegalin抗体は新規の腫瘍マーカーとなり、その血清抗体の解析は食道扁平上皮癌の診断・予後予測に有用であると考えられた。
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