研究課題/領域番号 |
17591372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (60375631)
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研究分担者 |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70166156)
木村 文夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (70334208)
加藤 厚 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70344984)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 膵臓癌 / 血管内皮細胞 / 血管新生 / リンパ管新生 / 分子標的療法 |
研究概要 |
本研究の結果とまとめ 消化器癌、特に膵臓癌は依然予後不良の疾患であり、新しい治療法の開発が望まれている。本研究の目的は腫瘍における血管新生のメカニズムを解明し、消化器癌に対する新たな治療法を開発することを目的とした。 まず、腫瘍増殖と類似した分子機構を持つとされる臓器発生における血管内皮細胞の役割につき検討した。血管内皮細胞が原腸細胞から膵芽細胞に分化する課程で重要な役割を果たしていることを我々はすでに報告しているが、その機構解明を試み、この血管内皮細胞の働きには周囲の間葉細胞との相互作用により引き起こされていることを明らかにした。 そこで、消化器癌、特に膵癌にどのような因子が関わってくるかをプロテオミクスの技術を用い検討した。その結果、膵臓癌細胞に発現するApolipoprotein C-1が膵癌細胞の細胞死を防ぐことによりその細胞増殖に重要な役割をしていることを示し、現在、投稿中である。 また、膵癌組織内の新生血管にはTGF-β受容体を構成するendoglin(CD105)が特異的に発現していることを見いだした。endoglinは腫瘍内、またはその極周囲の微細な血管の内皮細胞にのみ発現しており、正常の膵臓には発現していないことを示した。また、endoglinを発現している脈管の密度が膵癌患者の予後に相関することを示した。endoglinが幼弱な血管内皮細胞の増殖に関わっていることを加味すると、endoglinの機能を阻害することが膵癌に対する新しい治療法の開発につながる可能性を示した。また、endoglinが血管だけでなく新生リンパ管にも発現していることを始めて見いだした。近年、リンパ管新生も血管新生と共に癌の悪性化に重要な役割を果たしていることが示されてきており、我々の知見はendoglinを標的とした新しい治療法が非常に有望であることを示している。 以上の研究より、endoglinが膵癌治療の新しい分子標的になりうることを示した。
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