研究課題/領域番号 |
17591374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 文夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (70334208)
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研究分担者 |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70166156)
吉留 博之 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (10312935)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90334185)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 臓器不全 / 術後感染症 / cDNAマイクロアレイ / 抗TLR抗体 / GATA3 / T-bet / sCD30 |
研究概要 |
本研究ではcDNAマイクロアレイを用いて術後重症感染症と臓器不全に関わる遺伝子群の同定を試み、その病態の解明、早期診断、さらに新たな治療法開発の可能性を検討した。また、抗TLR抗体による敗血症および臓器不全の治療効果を検討した 末梢血中のIL-6やIL-10濃度は感染合併例、臓器不全合併例が有意に高値を示しており、術後早期のマーカーとしての有用性が確認された。末梢血中のsCD30(Th2反応の液性マーカー)は術前から術後1週間まで感染合併例、臓器不全合併例が有意に高値を示した。sCD30は術後合併症の術前予測を可能にする可能性が示された。 cDNAマイクロアレイ及びRT-PCRによる検討では、GATA3(Th2 regulatory gene)の発現が、末梢血中のsCD30(Th2液性マーカー)と同様に、術前から術後1週間まで感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示した。逆に、T-bet(Th1 regulatory gene)は術後3日から2週にかけて感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示した。GATA3およびT-betの遺伝子発現は、周術期の病態においてreciprocalな関係にあり、特にGATA3の術前からの高発現は術後感染症・臓器不全の早期診断を可能にする極めて重要な遺伝子と考えられた。TLR2およびTLR4も術後3日から感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示したが、早期診断のマーカーとしてはGATA3が最も有力な因子と考えられた。 抗TLR2および抗TLR4モノクローナル抗体を用いた治療効果は本研究では明らかにすることが出来なかった。感染症の病態においては発症機転がより重要な要素となっていると考えられた。 本研究からGATA3の術前高発現群が術後感染症・臓器不全のhigh-risk groupと考えられ、GATA3およびsCD30は臨床的に極めて重要なマーカーと考えられた。
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