研究課題/領域番号 |
17591379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐子 尭 (唐 偉) 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00313213)
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研究分担者 |
幕内 雅敏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60114641)
國土 典宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00205361)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胆管細胞がん / 病態学 / 複合糖質 / ムチン / 肝臓がん / 組織化学 / 腫瘍マーカー / 診断 / 糖鎖 |
研究概要 |
胆管細胞がん(Cholangiocarcinoma ; CC)は、肝細胞がん(Hepatocellular carcinoma ; HCC)との判別が難しい症例が多い上、HCCに比べ予後が著しく悪いため、早期診断や予後診断に有用な腫瘍マーカーの開発が課題となっている。一方、我々は、KL-6とよばれる抗体によって認識されるムチン(KL-6ムチン)の発現が、様々な消化器がんにおけるがんの病態に関与することを最近突き止めた。そこで本研究では、様々な手法を用いてCCにおけるKL-6ムチンの臨床的意義を明らかにすることを目的とし、まずCC患者、HCC患者およびCC/HCC混合型患者それぞれのがん組織を用いた組織化学的解析を行った。その結果、KL-6ムチンの発現はCC組織およびCC/HCC患者のCC領域のがん部のみで検出され、HCC組織および非がん部正常肝臓組織では確認されなかった。また、各患者の血清中のKL-6ムチン発現量を測定したところ、健常人、HCC患者、転移性肝がん患者と比較してCC患者で有意に高く(P<0.0001)、統計学的解析によりカットオフ値を設定することによりCC患者を他の肝臓がん患者から鑑別できる可能性が示された。以上の結果は、KL-6ムチンの組織学的検出や血清学的定量により、判別が困難とされているCC患者の鑑別を容易にできることを示唆する。また、転移性などといった性質が異なる複数の大腸がん培養細胞を用いた解析では、がん細胞の細胞質や細胞膜におけるKL-6ムチンの局在性が、がん細胞の接着性や悪性度に関係することが明らかとなった。従って、本研究の結果より、KL-6はCCの診断に関わる新規腫瘍マーカーや各種がん疾患の病態解明のツールとして利用できることが期待される。
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