研究課題/領域番号 |
17591392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | (財)田附興風会 (2006) 京都大学 (2005) |
研究代表者 |
加賀野井 純一 (財)田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (60378619)
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研究分担者 |
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 講師 (50293866)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 食道癌 / 癌進展機構 / 食道内肝汁逆流現象 / COX-2 / サイトカイン / EGFR / IFNγ / STAT1 / 食道内胆汁逆流現象 |
研究概要 |
(背景・目的)食道癌の発癌機構において胃・十二指腸液の逆流(GERD)が有力視されている。食道内への逆流成分のひとつである胆汁酸に着目し食道扁平上皮癌(ESCC)細胞株において胆汁酸は細胞内のCOX-2活性上昇を促進しPGE2産生を有意に上昇させることをこれまで報告してきた。今回、ESCCがGERDの一因子である胆汁酸に暴露されることによりCOX-2活性上昇を促し、PGE2産生を介しVEGFの誘導に関与し癌が増大・進展する可能性と伝達機構について検討した。(方法)(1)ESCC細胞株に対して胆汁酸を接触した時のPGE2およびVEGF産生誘導をELISA法で検討した。また抑制剤実験(EGFRリン酸化抑制剤とCOX-2選択的阻害剤を使用)を行い、その伝達機構の解析を行った。(2)EGFRの活性化を検討するためにESCC細胞株に胆汁酸刺激後の細胞蛋白をWestern blot法にて検討した。また抑制剤を用いて同様の実験を行った。(3)ESCC細胞株をヌードマウスに皮下移植し、胆汁酸腹腔内投与群(n=5)と非投与群(n=5)とで腫瘍体積を算出し比較検討した。(4)1987年6月から1996年10月に治癒切除術を行ったESCC患者134人の癌組織の免疫組織染色を行い臨床病理学的因子と各遺伝子との関係について統計学的検討を行った。(結果)vitroおよびvivoの実験系においてESCC細胞株への胆汁酸刺激はCOX-2を介してのVEGF発現増強が示唆され、また抑制剤を用いた実験よりEGFR-COX2-VEGF伝達経路の存在が示唆された。ESCC患者においてCOX-2発現とVEGF発現には有意な正の相関関係にあった。またCOX-2/VEGF陽性群は陰性群と比較して有意に予後が悪かった。以上より、胆汁酸はCOX-2を介したVEGF活性化機構を有し食道癌の進展に深く関与している可能性が示唆された。
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