研究課題/領域番号 |
17591401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
香川 俊輔 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00362971)
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研究分担者 |
藤原 俊義 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00304303)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | テロメラーゼ / hTERT / 樹状細胞 / 不死化 / 免疫療法 / 治療 |
研究概要 |
健常人末梢血約100mlから単核球分画を分離し、GM-CSF(50ng/ml)とIL-4(50ng/ml)を用いて6日間培養して未熟樹状細胞が誘導できることを確認した。また、TNF-α(25ng/ml)、PGE2(1μg/ml)を用いて成熟させ、フローサイトメトリーを用いてHLA-DR、CD80、CD83、CD86マーカーを解析、樹状細胞であること、および成熟機能を保持していることを明らかにした。hTERT遺伝子発現プラスミドを大腸菌にトランスフォームした後に増幅し、遺伝子導入に十分なプラスミド量を確保した。HLA-A2/A24の健常人末梢血から未熟樹状細胞を誘導し、hTERT遺伝子発現プラスミドをリポフェクタミンを用いてtransfectionした。また、遺伝子導入クローンを確認するために、GFP遺伝子発現プラスミドをco-transfectionした。GFP陽性細胞を経時的に観察したが、導入効率は極めて低く、何らかの工夫が必要と思われた。そこで、導入効率を改善するために、遺伝子導入手法をエレクトロポレーション法に変更した。エレクトロポレーションの至適条件の検討の後に、同様にhTERTおよびGFP発現プラスミドをco-transfectionし、プラスミドはネオマイシン耐性遺伝子を含んでいるため、ネオマイシン・アナログのG418でselectionを行った。初期遺伝子導入効率はやや改善されていたが、GFP陽性細胞の増殖は確認できなかった。hTERT遺伝子導入にもかかわらず樹状細胞の増殖が認められないことから、hTERT遺伝子導入による不死化のみでは自己増殖能を有した樹状細胞は得られないと推測される。 そこで、hTERT遺伝子発現に加えて、ヒトパピローマウイルスのE6/E7遺伝子を追加導入することで樹状細胞のクローン化を目指した。HLA-A2/A24の未熟樹状細胞にE6/E7遺伝子発現レトロウィルスおよびhTERT遺伝子発現レトロウイルス(国立がんセンター研究所清野博士から供与)を感染させ、ネオマイシン・アナログのG418でselectionを行った。しかし、やはり安定導入株は得られず、不死化樹状細胞を樹立する本研究の継続は困難と判断した。 本年度後半は研究の方向性を変更し、テロメラーゼ活性を標的とした腫瘍融解ウイルスで細胞死を誘導した癌細胞を樹状細胞にパルスすることで、癌細胞に特異的な細胞障害性T細胞(cytotoxici T-lymphocytes ; CTL)が誘導可能か否かを検討した。ヒト癌細胞にナノバイオ・ウイルス製剤Telomelysin(テロメラーゼ・プロモーターでウイルス増殖に必要なE1遺伝子を制御する腫瘍融解アデノウイルス製剤)をH1299ヒト癌細胞に感染させ、免疫を活性化するdanger signalとして知られる細胞内尿酸の濃度を測定したところ、著明な上昇を確認することができた。Telomelysinを感染させたH1299細胞と健常人末梢血を混合培養し、7日後の細胞の癌細胞に対する細胞障害活性を検討したところ、H1299細胞に特異的なCTL誘導が確認された。
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