研究課題/領域番号 |
17591420
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
桂巻 正 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50253993)
|
研究分担者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80311893)
永山 稔 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40398326)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 肝硬変 / 繊維化 / 一酸化窒素 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / 繊維化抑制療法 / 線維化 / 線維化抑制療法 |
研究概要 |
従来より肝の線維化と一酸化窒素(NO)の関連についてはほとんど検討されていないが、肝線維化とNOの関連、特に誘導型NO合成酵素由来NOが肝線維化や膵線維化に関与しているのか検討した。藤沢薬品が開発した経口投与可能な誘導型NO合成酵素阻害剤:FR260330を供与していただき、本剤によって肝線維化を抑制できるのかラット肝硬変モデルを用いて検討した。本薬剤は投与方法として経口投与した。ラット肝硬変を作成するに当たってはTAA200mg/kgを週に2回、腹腔内投与することで作成した。本モデルは投与8週目で慢性肝炎となり、12週目で完全に肝硬変となった。12週目で肝萎縮、脾腫、腹水を認め、組織学的には炎症細胞浸潤、強い繊維化を認めた。本モデルにおいてFR260330を32mg/kg1日2回連日経口投与させたところ肝硬変への進展が抑制され、腹水・脾腫は認めず、肝線維化率も25%から9.6%に軽減した。総ビリルビン値・ピアルロン酸値の上昇抑制、血小板数低下抑制などの肝硬変における血液・生化学的検査異常値の改善を認めた。免疫染色でSMA染色、iNOS染色、ニトロチロシン染色はともにFR投与群で減弱していた。また、肝組織中のNFBもFR投与によって低下した。RT-PCRではTGF1、iNOS、SMAのmRNA発現は減弱していた。以上の研究結果よりFRの経口投与は肝硬変進展を抑制し、TGF1発現抑制によって星細胞の筋線維化を抑制することでコラーゲンの産生が抑制され、その結果として肝の線維化が抑制されたと考えられた。一方、膵については同様にラット膵線維化モデルでFRを投与したが、糖尿病の進展抑制をある程度認めたが、肝ほどの線維化抑制は認めなかった。FR260330は経口剤であるため、慢性肝炎における肝硬変進展を抑制する薬剤として臨床応用できる可能性が考えられた。
|