研究課題
基盤研究(C)
胃癌細胞株の細胞浮遊液をマウス胃壁に接種する細胞注入法を用い同所性移植を施行した。移植するマウスは生後6-7週、体重16-20gの雌(BALB/c Ajcl-nu)を用いた。AZ521のリンパ節転移巣の転移細胞を培養しAZL1Gを樹立した。さらに上記のことを4回繰り返しAZL5Gを樹立した。胃癌細胞株MKN45によるリンパ節転移株MKNL3Gを合わせて検討を行った。1.移植腫瘍の転移率:AZL5Gのリンパ節転移率は85.0%であった。MKNL3Gのリンパ節転移率は60.0%であった。2.細胞増殖能:in vivoではAZL5G、MKNL3Gはそれぞれの親株の増殖能を上回った。3.細胞運動能:AZL5GはAZ521に比し亢進を認めた。MKNL3GはMKN45に比し亢進を認めた。4.接着分子の発現:FACSによる細胞表面接着分子の発現では、AZL5Gではα1、α2インテグリンの発現が亢進していた。MKNL3Gではα2インテグリンの発現が亢進していた。5,細胞接着能:AZL5Gはtype IV collagen、fibronectinに対する接着能が亢進していた(P<0.05)。6.血管新生因子産生量:VEGFの産生量ではAZL5Gは親株と差を認めなかった。MKNL3Gにおいても同様であった。7.VEGF-C遺伝子の発現:AZL5GにおいてVEGF-Cの発現が認められた。MKNL3Gにおいても同様であった。8.DNAマイクロアレイにより転移関連因子の発現を遺伝子レベルで検討すると、AZL5Gではendothelin-A receptor、TGF-beta II R alphaなどがのup-regulated geneであった。MKNL3Gにおける遺伝子発現と転移関連因子を標的としたRNA interferenceによる転移阻害については現在、解析中である
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