研究分担者 |
石井 正之 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 研究所, 研究員 (60443446)
藤井 正一 横浜市立大学, 大学附属病院, 准教授 (70326065)
山岸 茂 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20404973)
大田 貢由 (太田 貢由) 横浜市立大学, 大学附属病院, 助手 (60315794)
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研究概要 |
1.低位直腸進行癌の垂直浸潤の検討とISRの適応 横浜市立大学附属病院で手術された腫瘍下縁が歯状線から2cm以内で深達度MPまたはAの直腸癌53例を対象に、直腸癌切断術標本の割面の再構築を行い,腫瘍と温存する筋肉との関係を検討した.【結論】低位直腸の進行癌に対するISRの適応は,腫瘍下縁が歯状線よりも口側で,粘膜下肛門側進展を伴わない癌腫に限定すべきと思われた.また,術中の肛門管内の剥離は,肛門管上縁から深外括約筋が腫瘍横紋筋近接部であるため,経腹操作を優先し,同部の剥離後に肛門側操作に移行すべきと思われた. 2.外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の術前MRI診断 肛門管近傍の下部直腸癌で外肛門括約筋に浸潤あるいは近接するかを正確に診断することはISRの適応決定に重要である.静岡がんセンターでの直腸切断術症例の病理組織所見と術前MRI所見を対比し,外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断にMRIが有用であるか検討した.【結果】組織学的に外肛門括約筋近傍浸潤例は7例,括約筋内浸潤例は2例であった.MRIによる括約筋内浸潤あるいは近傍浸潤診断は感度89%,特異度82%であった.【結語】MRIは外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断に有用である. 3.静岡がんセンターにて根治度AのISRを行った34例を対象に,術後短期成績と術後の排便回数・患者満足度を調査した.短期成績は良好であり、患者満足度も良好であった.
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