研究課題/領域番号 |
17591427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高橋 広城 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (30381792)
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研究分担者 |
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80127141)
岡田 祐二 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10305550)
山本 稔 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (70347417)
沢井 博純 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40336681)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40381800)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | GDNF / 膵癌 / 転写因子 / 接着因子 / インテグリン |
研究概要 |
これまで我々は膵癌周囲に広く存在する神経組織と膵癌との相互作用について注目しており、神経組織から分泌される神経栄養因子(GDNF)が膵癌の神経浸潤に対し重要であるとの報告を行ってきた。また、以前より当科では接着因子integrinが膵癌細胞の肝転移、神経浸潤に大きな影響を与えていることを見出してきた。今回の研究の目的は、神経栄養因子が膵癌の転移・浸潤能にどのように関与しているかを基礎的検討から明らかにすることである。 平成17年度は膵癌細胞においてGDNF刺激により、細胞内の各種シグナル伝達の活性化が見られるかどうかを検討し、ERK-1/2,PI3-Kのリン酸化が確認され、またさらにはNF-kBの活性化も見られた。 平成18年度には膵癌細胞におけるGDNFによる各integrin subunitの発現変化、接着能・浸潤能変化についての検討した結果、GDNF刺激により接着・浸潤能に大きく関与するintegrinの発現が増強し、それに伴って細胞外マトリックスに対する接着・浸潤能は有意に増強した。また、ERK-1/2のinhibitorを用いることで、膵癌細胞の接着能・浸潤能は有意に抑制された。さらに、GDNFにより活性化されるNF-kBのspecific Inhibitorを用いて、転写因子を不活化することによって膵癌細胞の増殖・浸潤能を有意に抑制することがわかった。 今回の研究では神経浸潤に関するシグナル伝達経路を解明するとともに神経栄養因子であるGDNFの神経浸潤に関するメカニズムを解明し、これらを制御することによって膵癌の神経浸潤を抑制し治癒率を高めるという可能性を示唆するものである。
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