研究課題/領域番号 |
17591471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮田 義浩 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50397965)
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研究分担者 |
浅原 利正 広島大学, 病院・教授 (70175850)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | heparanase / 肝臓癌 / 肺転移 / Heparanase |
研究概要 |
本研究はheparanaseの発現をコントロールすることにより癌浸潤転移機構を解明し、更にその制御法の確立を目的とし、モデルシステムの確立、癌浸潤転移にかかわる因子の評価を行ってきた。動物実験、in vitroの実験を行い以下の結果を得た。 1)ラット肝癌肺転移モデルの確立とその癌転移メカニズムの解析 ラット肝癌由来細胞株を同系ラットの肝臓に移植することにより、肝細胞癌が肝内で増殖し、更に高率に肺転移を発症するモデルを開発し、確立した。このモデルについて担癌肝臓を摘出し同種肝移植を施行しても、肺転移は成立した。しかしこの肺転移はRock inhibitor投与により完全に抑制された。このことにより本モデルでは癌細胞の原発巣からの離脱と基底膜を越えての血管内への浸潤は、肝癌移植後1ヶ月から既に始まっており、遠隔部位へのホーミング、増殖による転移巣の形成はRock inhibitorによって阻害できることを証明した。 2)ラット肝癌細胞浸潤能、遊走能にかかわる因子の評価 免疫抑制剤投与で肝癌細胞株の浸潤遊走能は著明に亢進し、その効果はRock inhibitor投与で有意に抑制された。更にRock標的因子であるMLCのリン酸化レベルは免疫抑制剤投与で亢進し、Rock inhibitor投与で抑制された。しかしこれらの効果は肝癌細胞株の増殖能}ご対してはなんら影響を与えなかった。すなわち、本実験系における肝癌細胞株の転移巣形成はRockを介した浸潤遊走能亢進によることが証明された。 3)Heparanase遺伝子発現による、in vivoでの癌転移形態の解析 ラット肝癌細脚株移植モデルにおいて肝癌細胞株にheparanase遺伝子を導入し、heparanase発現を調節することにより、転移巣形成に変化があるか検討中であるが、導入効率など更なる改善が必要である。
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