研究概要 |
研究の目的 (1)拍動中の心表面の運動(位置情報)を3次元的に再構築し、各冠動脈の3次元運動を明らかにする。 (2)各種固定法の定量的評価法を確立し、新しい手術野運動の制御法の開発を目指す。 1)画像処理システム: 2台の高速カメラの画像を画像処理ボードにより二次元位置情報としてコンピューターに取り込み、得られた3次元の位置情報をコンピューター上に再構築する画像処理システムを開発した。 2)動物実験によるデータ取得: ブタを用いる。全身麻酔下に胸骨正中切開し心臓を露出する。心表面の冠動脈上にマーカーを留置し、これを上記2台の高速度カメラで撮影し位置情報を3次元で再構築した。冠動脈は左冠動脈前下行枝、左冠動脈回旋枝、右冠動脈を検討の対象とした。 3)これまでの研究成果: (1)ブタ心表面の各冠動脈(左冠動脈前下行枝、左冠動脈回旋枝、右冠動脈)の3次元運動の基礎評価を行い、運動の軌跡、動きの幅、一拍あたりの移動距離、速度、加速度などのパラメーターが明らかとした。また動物実験で、現状のスタビライザーの問題点を明らかにした。 (2)動物実験において各種スタビライザーの比較、薬理学的固定法による3次元運動の変化を検討した。スタビライザーの比較としてはOctpus4.3 (Medtronic)とOPVAC Synergy II (ESTECH)を使用した。心尖部吸引型の脱転器具としてはStarfish (Medtronic)を使用した。薬理学的固定法にはβ遮断薬(Landiolol Hydrochloride : Ono-1101)を使用した。 <論文> Toshiki Watanabe, MD, Sadao Omata, PhD, Motoki Odamura, PhD, Masahumi Okada, Phd, Yoshihiko Nakamura, PhD, and Hitoshi Yokoyama, MD Three-dimensional quantification of cardiac surface motion : A newly developed three-dimensional digital motion-capture and reconstruction system for beating heart surgery The Journal of thoracic and Cardiovascular Surgery. 1162-1171, 2006. <発表> Toshiki Watanabe, Hitoshi Yokoyama 3-Dimensional quantification of cardiac surface motion in beating heart surgery. Abstruct 0-40, Exp Clin CARDIOLOGY Vol 11. No 2. July 14 to 16, 2006, Sapporo, Japan. 渡辺俊樹、横山 斉 心表面運動の定量的解析:3次元デジタル解析システムの開発 第406回 福島医学会、福島市、2006.10.26 渡辺俊樹、横山 斉 心表面運動の定量的解析:3次元デジタル解析システムの開発 第24回 福島心臓血管外科研究会、郡山市、2007.1.13
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