研究課題/領域番号 |
17591489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 聡 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60246551)
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研究分担者 |
新岡 俊治 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20192122)
黒澤 博身 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50075511)
石山 雅邦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30246558)
山本 昇 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50297470)
長津 正芳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60231487)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 再生医療 / Tissue Engineering / 再生血管 / 生体吸収性ポリマー / 骨髄細胞 / 脱細胞化 / ホモグラフト / 再生弁 / 再生心臓弁 / 細胞播種 / 内皮細胞 |
研究概要 |
心臓外科領域において完全に理想的な代用弁は存在しない。ホモグラフトは、ドナーの善意の提供を必要とするが、血行動態的特性、抗凝固性に優れ、耐久性も良く、感染症例を始め、その適応症例は確実に存在する。我が国では同種弁はその入手の困難さから、同種弁が最適と考えられる症例に於いても同種弁が用いられずに他の代用弁が使用されてきたのが実情である。等教室では、東京大学組織バンクに参加し、貴重なドナーから提供される同種弁を使用する事が可能となった。ホモグラフトはこのようにそれ自体優れた生体弁であるが、遠隔期の強い石灰化のため再手術が必要になり、また石灰化のため再手術も技術的に困難であるという問題点がある。 当教室では自己骨髄細胞と生体吸収性ポリマーからTissue-Engineered Vascular Autografts (TEVA)の作成に成功し、2000年からは肺循環系血管への臨床応用を世界に先駆け始めることができた。本研究ではこれらの技術を脱細胞化したホモグラフトに応用する。脱細胞化することによって、石灰化の原因と考えられる慢性拒絶をその抗原性を減少することで抑制することが可能である。この脱細胞化された組織をscaffoldとして使用し、これに自己骨髄細胞を播種することによって内皮化し、優れた左心系の心臓弁を作成し臨床応用が可能であると考えられ基礎研究を重ねた。犬から採取しておいた心臓弁の脱細胞化を行い、組織学的にHE染色および免疫組織染色を用いて評価する。一方で、前腸骨もしくは大腿骨骨頭より骨髄液を採取し密度勾配法を用いて単核球成分を分離する。この細胞をあらかじめ脱細胞化した心臓弁に接着・播種して再度組織学的評価を加える。石灰化モデルとして既に確立されているラット皮下移植モデルを用いて、脱細胞化していないホモグラフトをコントロール群とした比較検討(生化学的、生力学的、免疫組織学的検討)も行う。組織学的には免疫染色の手法を用いて、内皮細胞の指標である第皿因子を染色すると共に、細胞間隙の間質蛋白質を染色し自己組織と比較検討する。同種細胞(allogenic)は拒絶反応の因子を排除できないため、細胞は全て自己(autologous)細胞を用いた。さらにはin vivoにおける弁機能の評価として、ビーグル犬を用いた大動脈弁移植実験もこの研究の延長上に位置づけ、今後検討を続けていく予定である。
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