研究課題/領域番号 |
17591535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
深谷 親 日本大学, 医学部, 准教授 (50287637)
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研究分担者 |
大島 秀規 日本大学, 医学部, 講師 (20328735)
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
小林 一太 日本大学, 医学部, 助手 (20366579)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,570千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 運動誘発電位 / D-wave / 一次運動野 / 高次運動野 / 大脳基底核 / 術中神経生理学 / 脳深部刺激 / マッピング / モニタリング / 皮質脊髄路 / 脳腫瘍 / 運動前野 / 補足運動野 / 運動野 / 電気刺激 / 脳外科手術 / D wave / 運動領野 / 機能野 |
研究概要 |
脳神経外科手術中に様々な神経生理学的モニタリング・マッピング法を用いることにより運動機能を温存する試みがなされてきた。とくに我々は、運動皮質を電気刺激することにより脊髄硬膜外腔に留置した電極より導出される運動誘発電位(cortico-spinal D-wave)が、運動機能の状態を監視するのに非常に有用な指標となることを報告してきた。この電位は、我々の研究から一次運動野の刺激によってのみ導出できることが判明している。 一方、運動の適切な遂行には一次運動領野のみならず、補足運動野や運動前野などの高次運動野の働きも必要となる。さらに大脳基底核・運動性視床を中心に形成される運動ループが余分な運動を抑制し筋収縮のスケールを調整していると考えられる。これらは不随意運動症の治療のため脳深部に電極を挿入した症例の臨床経過の観察からも推定された。 また、手術侵襲による運動機能障害を回避するという立場からは、一次運動野の温存が最も重要と考えられた。補足運動野や運動前野の損傷後によっても適切な運動の遂行が困難となることはあったが、主体は巧緻運動や習熟した運動の障害であり、高度な運動麻痺が出現することは稀であった。我々が今回観察しえた症例では、巧緻運動に関しても日常生活に支障のないところまで回復する症例が多かった。こうした結果から一次運動領野と他の運動関連領野を区別して同定することが必要と考えられた。さらに、後遺障害の回避には上述した運動ループの構成要素を連絡する白質線維の温存も重要であることがわかった。このため単極電極を用いて誘発したD-waveを指標とする皮質下マッピングの方法を我々は考案した。この方法では、皮質脊髄路との刺激部位との距離を推測することが可能であり、機能温存を果たす上での有力はマッピング法になると考えられた。
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