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慢性閉塞性肺疾患者の周術期管理-特に誤嚥リスク評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17591616
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 麻酔・蘇生学
研究機関千葉大学

研究代表者

田中 敦子  千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (40302559)

研究分担者 磯野 史朗  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80212968)
関根 康雄  千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70312957)
西野 卓  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80009703)
研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワードCOPD / 呼吸 / 嚥下 / 気道防御 / 気道反射 / 呼吸苦 / 肺容量 / 呼吸困難 / 嚥下機能 / 気道防御反射
研究概要

当施設での調査では、慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)合併肺がん患者における肺炎などの周術期呼吸合併症の発生率は52%と非COPD肺がん患者の19%に比較して有意に高かった。この原因として、COPD患者の気道防御反射の低下が関与するのではないかと考え本研究を行った。
COPD患者の呼吸苦そのものが気道防御反射を障害している可能性を検討するため、息こらえにより呼吸困難を実験的に増強させた状態で、酢酸吸入により咳反射を誘発させ、この時の呼吸困難と咳反射の相互作用を健常成人を用いて検討した。呼吸苦が存在する状態でも咳反射あるいは自発的な咳は、機能的に障害されることはなかった。しかし、咳が反射的に誘発された場合には、特に"Air Hunger"と呼ばれる呼吸困難感が増強し遷延した。呼吸困難を伴わない状態で咳反射を誘発させても呼吸困難感が増加することはなかった。COPD患者における気道防御機能低下には、低肺機能による呼吸苦の存在そのものは関与せず、誤嚥性肺炎は必ずしも呼吸困難が強くなくとも生ずることも示唆している点で臨床的には重要と考える。
COPD患者における嚥下機能低下の可能性とそのメカニズムを検討するため、COPD患者において、咽頭内蒸留水持続注入により嚥下反射を誘発させ、嚥下機能を評価した。嚥下回数はやや正常人よりやや多く、また嚥下前後にオトガイ筋活動が増加する特徴的なパターンを示した。正常人では嚥下が主に呼気相に誘発されるのに対して、COPD患者では吸気の途中あるいは吸気の直前に誘発されることが多く観察され、嚥下が完全に遂行できなかった場合には引き続く吸気中に異物を誤嚥してしまう可能性も示唆された。
本研究により、COPD患者の異常な嚥下のタイミングが誤嚥性肺炎のメカニズムに関わる可能性が示されたばかりでなく、患者の呼吸困難感の強さに関わらず嚥下機能を術前に評価する必要性と、その方法として咽頭内蒸留水持続注入による嚥下誘発方法の有用性が示された。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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