研究概要 |
骨癌性疼痛モデルにおける後根神経節細胞および脊髄後角細胞におけるのμオピオイド受容体(MOR)蛋白の発現性をWestern blot法およびRT-PCR法にて,正常マウスと比較検討した.骨癌性疼痛モデル作製のために,骨破壊性sarcoma cell(NCTC2472)を培養・継代した.C3H/HeJマウス(生後5-6週)に対して,Schweiらの方法(J Neuroscience 1999)に準じ,NCTC 2472(10^5/20〓l)を大腿骨遠位端から髄内へ注入して,モデルを作製した.正常対照群として,シャム手術マウスと培養液を大腿骨髄内注入したマウスを用いた. その結果,モデルマウスの後根神経節細胞におけるMOR蛋白の発現増加,mRNA発現の増加が認められたが,脊髄におけるこれらの発現性の増加は認められなかった.さらに,免疫組織化学的解析において,MORはモデルマウスの脊髄浅層において,MOR蛋白発現の低下が認められた.これらの結果より,骨癌性疼痛モデルでは、末梢神経においてMORの発現が転写レベルで低下していることが明らかになった.
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