研究課題/領域番号 |
17591705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石田 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60246543)
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研究分担者 |
田邉 一成 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80188359)
宮本 直志 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50366332)
新村 浩明 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60318045)
白川 浩希 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60263539)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Accommodation / 血液型不適合移植 / 腎臓移植 / 血液型抗体 / 免疫抑制剤 / 糖鎖抗原 / IgGサブクラス / T細胞依存性 / 免疫寛容 / 血液型不適合 |
研究概要 |
血液型が異なる血液型不適合腎臓移植が施行されてから10年以上を経過した。一般的に血液型が異なる輸血を施すと溶血を起こし致死的にもなりえる。1989年来、不適合移植を施行してからなぜ血液型が異なる腎臓が許容(寛容)されるのか謎であった。不適合移植時には移植前に十分量の血液型抗体を除去した後に手術がなされる。移植後にレシピエントは自己の血液型を産生するにもかかわらず、一定量の抗体が移植手術時に除去されているだけでその後の移植腎臓は許容され腎機能は温存されることが判明した。平成17年より開始した同研究によってこのような移植後に産生される血液型抗体にっいての解析を行った。 研究業績についての詳細は業績報告に譲るが、2007年に研究代表者らがアメリカ移植学会誌(AJT,2007)に報告したように、2000年に免疫抑制剤が新たに開発されるようになって以来、不適合移植後に免疫学的寛容状態が頻繁に認められるようになった。このように抗体産生をはっきり認めるにもかかわらずその後の移植臓器機能が良好に経過する現象をAccommodationと呼んでいる。GFRにて移植腎機i能を測定し、また同時に移植腎生検の結果を解析した結果、2000年にFK506およびミコフェノール酸モフェティールが臨床移植の場に登場して以来、Accommodation現象が多く認められることがわかった。また研究代表者が2006年にTransplantationに発表した結果では、このようなAccommodationの成立したレシピエント体内に産生された抗体は、生来ヒトの体内に産生される血液型抗体とは異なったサブクラスに属することがわかった。すなわち、通常のヒト体内に存在する血液型抗体は細胞障害性の強いIgG1抗体であるのに比べて、不適合移植後の良好な移植腎機能を有するレシピエント体内に存在する抗体はIgG2,IgM抗体であることが判明した。さらに細胞障害性の強い抗体がT細胞を介したT細胞Dependentなメカニズムにて産生されるのに対し、不適合移植後に産生される血液型抗体はIndependentにCD5陽性B細胞より産生される異なったメカニズムによる抗体産生機序であることがわかった。これはことなった血液型抗原(糖鎖抗原)によっておこった初期免疫応答の結果であり、その後のImmunityを積極的に誘導するものではないことを証明したといえる。ことなった糖鎖抗原に対してヒト体内の免疫反応を観察した画期的な免疫学モデルであった。
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