研究課題/領域番号 |
17591726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 清 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40334908)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 (塩沢 丹理) 信州大学, 医学部, 助教授 (20235493)
小西 郁生 信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | サイクリン / アポトーシス / 抗癌剤感受性 / 子宮内膜癌 / periplakin / chemotherapy / PI3-kinase pathway / MAP kinase |
研究概要 |
我々は子宮内膜癌におけるサイクリンAの発現亢進の意義として、細胞増殖能への影響以外に、抗癌剤感受性の低下を及ぼす可能性があるという仮説を立てこれを検証する目的で本研究を施行した。 まずサイクリンA強発現HHUA株を樹立し、この細胞の増殖能が亢進し、抗癌剤感受性が低下していることを確認した。またこの細胞では抗癌剤によるアポトーシス発現低下、アポトーシスの発現抑制因子であるBcl-2の発現増加、アポトーシス促進因子Badの不活化を見出した。次にサイクリンAによるapoptosis抑制機序を解明するために、PI3K-Aktの経路について検討した。サイクリンA導入細胞にシスプラチンを添加するとAKTリン酸化の増強が認められたことからPI3K-Akt経路が重要な関与をしていると考えられた。 以上の結果をふまえ、サイクリンAによるアポトーシス抑制に関与する遺伝子を同定するため、サイクリンA導入による遺伝子発現の変化をオリゴヌクレオチドマイクロアレイにて解析した。その結果Akt結合タンパクであるのperiplakin (PPL)の発現がサイクリンA導入細胞において亢進していることが判明した。またPPLの発現亢進にともなって、PPLのAkt結合分画も増加していることが確認された。さらにPPLmRNAの発現をsiRNAを用いて抑制するとAktのリン酸化レベルは減弱したことから、PPLの結合によりAkt経路が安定化し、活性化することを確認した。 以上の結果から子宮内膜癌におけるサイクリンA発現とシスプラチン耐性の機序として、サイクリンAによるアポトーシスの抑制が関与していることが判明し、さらにこの機序はPPL発現亢進とそれによるAKT経路を安定化活性化が重要であることを世界で初めて明らかにした。
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