研究課題/領域番号 |
17591731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
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研究分担者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
上田 正道 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50115797)
小阪 謙三 京都大学, 医学研究科, 助手 (90359828)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 発生・分化 / 生理学 / 黄体 / 顆粒膜細胞 / 血管新生 / 血小板 / 血管内皮細胞 / 凝固抑制因子 / プロゲステロン |
研究概要 |
黄体はプロゲステロンを産生して子宮内膜を胚が着床可能な分泌期内膜へと分化させ、妊娠が成立した際には自ら妊娠黄体へと分化して胚の着床を継続させる役目を担っており、妊娠の成立と継続に必須の器官である。黄体がその機能を充分に発揮するためには、短期間での血管網の構築が必要であるが、その機構の詳細は明らかにはされていない。最近、血管新生誘導因子等の様々な生理活性物質を有する血小板が形成期黄体の血管外に活性化された状態でフィブリンを形成せずに多く存在し、成熟黄体に近づくにつれその局在が黄体中心部に限局することを明らかにしてきた。一方、黄体では新生血管網による血流が確立するまで流入してきた血液を含む組織液の還流が維持される必要がある。血液は血管外組織に流出した場合には血管内にある凝固抑制機構から逸脱し血栓が生じ止血がなされるが、細胞間が血管外に漏出した血液で満たされている黄体化顆粒膜細胞間の血流が保たれるためには、何らかの凝固抑制または線溶系亢進機構が働いている必要がある。本研究では、血小板によって黄体化顆粒膜細胞のプロゲステロン産生能は亢進し、かつその形態が変化することが明らかになった。また血管内皮細胞の遊走能は血小板によって著しく亢進し、増殖能は血小板および黄体化顆粒膜細胞両者によって亢進した。これらの結果から血小板が黄体の内分泌的機能および形成期黄体における血管新生に促進的に作用していることが示唆された。また形成期黄体の黄体化顆粒膜細胞において凝固抑制分子として知られる複数の分子の存在が明らかになり、これらが形成期黄体内で凝固抑制的に働くことで、上記の様な血小板のluteotropicな機能が発揮できるものと推察された。以上の結果ヒト黄体形成に関する新しい情報であり、今後原因不明不妊・不育症の新しい治療法開発や悪性腫瘍の血管新生機構の解明につながる基盤となるものである。
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