研究課題/領域番号 |
17591735
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻田 和秀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80379247)
|
研究分担者 |
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90240845)
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00294075)
西森 克彦 東北大学, 農学研究科, 教授 (10164609)
渡辺 宜信 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00418774)
天満 久美子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60397718)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | オキシトシン受容体 / 遺伝子欠損マウス / プロスタグランディン / 陣痛発来機構 / Subtractive Suppressive Hybridization法 / CD14 / カルシウム依存性情報伝達機構 / 免疫応答 / オキシトシン / ノックアウトマウス / 分娩 / カルシニューリン / サイトカイン / 免疫 / 新規遺伝子 |
研究概要 |
本研究はオキシトシン受容体欠損マウスの分娩を子細に検討することによって、陣痛発来機構のメカニズムや陣痛をコントロールする根源的な因子を同定することを目的とした。 オキシトシン受容体欠損マウスは正常に分娩し、その他の周産期事象も野生型マウスと差を認めなかった。哺乳類の分娩ではオキシトシン(OT)-オキシトシン受容体(OTR)系はプロスタグランディン(PG)系と並んで重要な役割を果たすと考えられているためオギシトシンの系と同様に早産などで極めて重要な収縮系であるプロスタグランディンの系を検討した.プロスタグランディンPGの受容体は両者とも発現差がなかったことから、OT-OTR系、PG系以外の収縮系が代償している可能性が示唆された。マイクロアレイを用いた検討ではLPS受容体であるCD14の発現が有意に増加しており、それはオキシトシン受容体欠損マウスのLPS感受性が有意に亢進していることからも、プロスタグランジン産生そのものとの関連が示唆された。 しかし、すべてのマウス分娩がLPS刺激で誘起されるわけはなく、CD14へのその他のリガンドの存在が考えられた.そこで、未知のリガンド乃至は未知の収縮誘発系の検索をするためにSubtractive Suppressive Hybridization法(以下SSH法)を用いてOTR欠損マウスで特異的に発現している遺伝子の同定を試みた.その結果、得られた103の遺伝子のうち、OTRKOからカルシウム依存性情報伝達機構に関わる遺伝子群、特にJuhD, FKbp, TPt=1,Dscr, IGFbp7などのCalcineurin関連遺伝子が多数得られた。Calcineurinの系はカルシウム情報伝達系の重要な因子であり、IL-2などサイトカインの発現調節や免疫応答に関与する因子である。この系の網羅的定量PCRでは、Calcineurin Al NFATclなどの発現増加が確認された。 本研究はオキシドシン受容体の代償機構と考えられるものとして、CD14やCalcineurinなどの細胞性免疫応答に関わる分子を同定し得た。これはオキシトシンの代償としてのみならず、ヒトの妊娠高血圧症候群や自己免疫疾患合併妊娠における早産のメカニズムを説明する上で極めて有用な知見である。更に、陣痛発来ないし調節機構としてこの系が重要な分子である可能性も強く示唆され、このテーマの新たな展開を迎えたと言い得る。
|