配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
核内受容体Pregnane X Receptor (PXR)は,ligandとして内因性ステロイドホルモンや薬剤などのxenobioticsが知られ,またステロイド・薬物代謝酵素(CYP3A)を制御していることから,新たな代謝調節機構の存在が報告されている.我々は,ホルモン依存性腫瘍である子宮体癌組織においてPXRおよび標的遺伝子(CYP3A4)の発現を認め,また子宮体癌由来細胞にてPXR ligandはPXRを介した転写及びCYP3A4や薬剤耐性因子(MDR1)発現を強く誘導することから,PXRはCYP3AやMDR1の発現制御を介して子宮体癌組織内でのステロイド・xenobiotics代謝や薬物耐性機構に関与すると報告した.今回,RNAi法を用いて子宮体癌由来細胞におけるPXRの発現を抑制し,liandの存在下でのPXRを介した転写活性,標的遺伝子の発現,細胞増殖やapoptosisへの影響について検討した.まず,HEC-1細胞のPXR発現抑制をmRNA及び蛋白レベルで確認した後,ligandであるcisplatinやpaclitaxelなどの抗癌剤やestradiolやMPAなどのステロイドホルモンの存在下での標的遺伝子(MDR1,CYP34)発現への影響を検討したところ,PXR発現抑制細胞では発現の増加は認めなかった.次にMDR及びCYP3A4のプロモーターを介した転写への影響を検討したところ,PXR発現抑制細胞ではligandの存在下で転写誘導を認めず,coactivatorによる転写促進作用も認めなかった.更にこれらligandの細胞増殖への影響を検討したところ,PXR発現抑制細胞でより強い増殖抑制効果を認めapoptosisを誘導した.以上より,PXRの発現を抑制するとligandであるcisplatin, paclitaxelやMPAによるMDR1やCYP3A4の発現誘導が抑制され,抗腫瘍効果を促進する可能性が示唆された.
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