研究課題
基盤研究(C)
まず、双胎間で表現型の異なる一卵性双胎について分子遺伝学的検討を加え、多胎形成の異常とその問題点を明らかにした。いずれの症例も、遺伝子型解析で一卵性であることが確認された。その結果、双胎に伴う異常を推察するマーカーとして分子マーカーは有用と思われた。とくに、無心体双胎では、正常児には均等なX不活化を認めたが、一方の無心体児には極端なX不活化の不均等を認めた。これは、本病態の発生機序の一端に、受精胚の不均等分割が関与していることを裏付ける結果として注目され、双胎形成の異常と分子マーカーとの関連が示唆された。双胎問輸血症候群(TTTS)は一絨毛膜性双胎の10-15%に発症するが、病態が原因不明ゆえ、その発症予測は困難とされる。しかし、予防管理には発症予測が重要であるため、TTTSに関連する病態の分子マーカーに着目し、発症予測マーカー一としての可能性を検討した。そこで、TTTSのリスクを推定する分子マーカーとして、妊娠中に母体を通じて得られる母体血漿中へ流入する胎盤特異的mRNA定量の有用性について検討した。一絨毛膜性双胎を伴う妊婦17例について、妊娠12週-22週に母体血6ccを採取した。採血後にTTTSを発症したものをTTTS群(n=5)、発症しなかったものを非TTTS群(n=12)とした。従来通り、胎盤特異的遺伝子であるhPL mRNAをターゲットにして定量的リアルタイムRT-PCRを行った。両群間に推計学的有意差が認められた(p=0.035)。より鋭敏な分子マーカーの同定を目指して、54,000個の遺伝子についてマイクロアレイ解析で網羅的に胎盤特異的に発現する遺伝子をスクリーニングし、最終的に9つの遺伝子までターゲットを絞り込んだ。このうち、PSG、syncytinおよびADAM12については両群間に有意差を認めた。以上より、cff-mRNAの定量化は、TTTSの発症を推定しうる分子マーカーとして有用であることが考えられた(Clinical Chemistry in press)。
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