研究課題/領域番号 |
17591779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡邉 行雄 富山大学, 医学部, 教授 (10108037)
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研究分担者 |
将積 日出夫 University of Toyama, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences for Research, Associate Professor (60187507)
梅野 克身 University of Toyama, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences for Research, Instructor (90086596)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 双極子追跡法 / 機能的近赤外分光法 / 前庭刺激 / 脳高次機能 |
研究概要 |
全頭型NIRS測定装置(島津製作所OMN-3000)および脳波計(Biosemi社)を組み合わせ、前庭刺激より誘発されためまい感覚中の脳波(EEG)及び機能的近赤外線分光法(fNIRS)を同時記録・解析するための統合システムを構築した。同システムを用い、37℃のエアカロリック刺激と24℃の冷刺激を交互に行い、EEGおよびNIRSを同時記録した。 NIRS測定では、脳の広範な領域で冷温刺激開始後数分持続する血流変化が認められた。頭頂部、側頭部の血流反応は刺激後、酸素化ヘモグロビン(OxyHb)が上昇する傾向が認められ、前頭部を中心に刺激直後OxyHbが減少した後にめまい感の出現と共に上昇する2相性パターンを示す被験者が6人中5人で観察された。次にGeneral Linear Modelを用いた脳賦活の統計検定を行った。多くの被験者で共通して有意な血流変化を示した脳領域は中心前回、下前頭回弁蓋部、前頭極、中心後回、縁上回、上頭頂小葉、上側頭回など脳の広範な領域に認められ、これまでの脳機能画像研究で指摘されたカロリック刺激で賦活化される脳領域に比べ、脳深部以外はほぼ一致していた。脳波解析に関しては、周波数解析を施行したところ、頭頂部電極を中心にθ波のバースト状の出現とθパワーの上昇が認められ、カロリック冷刺激に伴うめまい感に伴う脳の活動を反映している可能性が示唆された。今回の研究によって、fNIRS及びEEG同時期録システムが、めまい・平衡障害における大脳皮質の活動を検出できることが証明され、今後のめまいの診断・治療効果などの判定など臨床応用の可能性が大いに期待されるものと考える。
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