研究課題/領域番号 |
17591786
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
辻 純 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 研究員 (30252448)
|
研究分担者 |
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 教授 (90176339)
平海 晴一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10374167)
藤野 清大 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359832)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 前庭代償 / 前庭動眼反射 / 神経積分装置 / マウス / グルタミンδ2レセプター / 前庭破壊 / 前庭神経切断術 |
研究概要 |
一側の前庭破壊後、c-Fos proteinを検索した結果、舌下神経前位核(PrH)において、活性化に左右差が見られた。PrHは、前庭動眼反射(VOR)に必要な神経積分器の存在する場所と考えらていることから、前庭破壊後の代償期に同部に大きな変化が起きているとがわかった。この前庭代償機能を経時的に調べるために、前庭神経切断直後からマウスのVORゲインの変化を計測した。VOR計測は赤外線によるマウス用眼球運動記録装置を使用し、暗所で行った。内耳破壊後のゲインの推移を、周波数0.8Hzで最大角速度150度毎秒で測定したとき、術後2日目に最低値を取り、7日目までに急激に回復したが、その後は術前の約7割の値でほぼプラトーとなり、28日目でも、それ以上の回復の徴候はみられなかった。また、前庭動眼反射に対する視覚情報の関与を調べるために、ノックアウトマウスを用いて温度眼振に対する視覚情報の関与を検索した。前庭由来の眼球振盪は、固視によって抑制されることが知られている。温度眼振の視覚による抑制はvisual suppression (VS) testとして日常臨床で小脳機能評価に応用されている。今回我々は、小脳片葉の平行線維とプルキンエ細胞との間に局在するグルタミンδ2レセプター(GluRδ2)をノックアウトしたマウスを用いてVSを測定した。眼球運動は赤外線CCDを用いて測定した。野生マウスでは平均して約90%のVSが見られたが、GluRδ2欠損マウスではVS10%、変化無し、または逆に眼球振盪が増加するものが見られた。これらの結果から平行線維からプルキンエ細胞のグルタミンδ2レセプターを介して伝わる情報がVSに重要な役割を持つことが示唆された。
|