研究課題/領域番号 |
17591810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
深澤 啓二郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (50278842)
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研究分担者 |
阪上 雅史 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10170573)
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | インターロイキン18 / 気管支喘息 / 好酸球 / 鼻副鼻腔炎 / IL-18 / 慢性副鼻腔炎 / 鼻茸 |
研究概要 |
平成17年4月から同19年3月までに兵庫医科大学耳鼻咽喉科において両側慢性副鼻腔炎で手術治療を行った症例は、141例あり、そのうち好酸球性あるいは喘息合併鼻副鼻腔炎手術例は31例(22.0%)であった。さらにアスピリン喘息と診断された症例は8例であった。対象となった31例の内訳は、男性19例、女性12例で、年齢は24-76歳(平均51.3歳)であった。 対象症例の末梢血液中好酸球数は、平均11.8%(3.9-49,8%)(基準値2-7%)であり、ほとんどの症例において高好酸球血症をしめした。アレルギー性鼻炎の合併は19例(61.3%)に認め、これらは血液検査(lgE、RIST値、RAST値)にて確認した。 症例は全例内視鏡下鼻内手術を行い、手術時に採取した鼻茸、鼻粘膜(下甲介粘膜・嗅粘膜)について組織学的に検討した。通常の光学顕微鏡による好酸球浸潤程度にくわえ透過型電子顕微鏡による好酸球の確認も行った。 全ての症例において、鼻茸組織中には高度の好酸球浸潤を認めたが、下甲介粘膜には高度な好酸球浸潤を認めなかった。嗅裂にポリープ状病変を認めた症例での嗅裂粘膜所見でも、好酸球浸潤を認めたが、嗅細胞の存在する嗅粘膜下組織には、あまり高度な好酸球浸潤を認めなかった。鼻茸組織では、粘膜下のみならず、粘膜上皮内へも浸潤する好酸球を認めたが嗅上皮には、見られなかった。電子顕微鏡で確認すると、細胞体内に特徴的な穎粒を有する好酸球が集籏している所見が数多く認められた.IL・18との関わりを確認するため、鼻茸組織、下甲介粘膜に対する免疫組織化学をIL-18レセプターについて行ったが、今回採取した試料においては十分な確認が出来なかった。鼻茸組織のELISA法によるIL・4、5は3症例について検討したが、喘息非合併例と比較すると高値を示した。残念ながら、IL-18とのかかわりを十分証明することは行えなかったが、好酸球の高度な浸潤が好酸球性・喘息合併慢性鼻副鼻腔炎における鼻茸形成に深く関わっていること、嗅裂における好酸球浸潤による粘膜浮腫が、これらの症例の嗅覚障害の主な病態であり、嗅細胞の消失あるいは変性が嗅覚障害の主な病態ではないと考えられた。今後、IL-18の関わりについては、組織学的手法を見直し、好酸球との関わりも含め再検討する予定である。
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