研究課題/領域番号 |
17591812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 助教授 (70196228)
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研究分担者 |
中島 格 久留米大学, 医学部, 教授 (70117183)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 声帯 / 喉頭 / 細胞 / 細胞外マトリックス / ヒアルロン酸 / グリコサミノグリカン |
研究概要 |
声帯黄斑は声帯の細胞外マトリックスの代謝に影響を与え、声帯黄斑内には通常の線維芽細胞とは形態学的に異なり、ビタミンAを細胞内の脂肪滴に貯蔵した特殊な細胞が存在することをこれまでの研究で明らかにしてきた。平成17年度は成長・発達前の新生児の声帯黄斑の微細構造を研究した結果を英文論文「Vitamin A-storing Stellate Cells in the Human Newborn Vocal Fold.」としてAnnals of Otology, Rhinology & Lalyngologyから出版した。 声帯粘膜を構成する細胞外マトリックスの三次元微細構造およびその成長・発達・加齢的変化をこれまで報告してきた。声帯の前端と後端に存在する黄斑が、声帯の細胞外マトリックスの代謝に関与し、声帯振動に必要な物性(粘弾性)を維持していることを報告してきた。声帯の細胞外マトリックスのなかでグリコサミノグリカンの一種であるヒアルロン酸は声帯の物性(粘弾性)にとって重要である。平成18年度はヒアルロン酸が声帯粘膜にどのように発現してくるのか、成長・発達・老化に伴うその変化、また声帯黄斑内のビタミンA貯蔵細胞の関与を研究した結果を学会で講演し論文として出版した。ヒアルロン酸の声帯粘膜内の分布とそれに先立って声帯粘膜の細胞、特に星型細胞に発現するCD44(ヒアルロン酸レセプター機能を持つ接着分布)の発現を研究した。この結果より声帯黄斑部の星型細胞がヒアルロン酸の産生に深く関与し、声帯粘膜のヒアルロン酸の維持、代謝に生涯関与していることが示唆された。また声帯黄斑部とそこに密に分布するビタミンA貯蔵星型細胞が声帯粘膜の細胞外マトリックスの代謝に深く関与していることが示唆された。 研究結果は和文論文「声帯粘膜の細胞と細胞外マトリックス-CD44の発現とピアルロン酸の分布-」として日本音声言語医学会誌から出版した。また英文論文「Expression and Distribution of CD44 and Hyaluronic Acid in Human Vocal Fold Mucosa」としてAnnals of Otology, Rhinology & Laryngologyから出版した。なおこの論文はアメリカ喉頭科学会で高い評価を得て2006年のCasselberry賞を受賞した。
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