研究課題/領域番号 |
17591887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60379203)
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研究分担者 |
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
嶋津 岳士 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (50196474)
田中 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (90252676)
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50273678)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70301265)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Synbiotics / シンバイオティクス / 全身性炎症反応 / 腸内細菌 / 集中治療 / sepsis / 感染症 / 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌叢 / pH / SIRS |
研究概要 |
重度の肺炎、外傷、熱傷など様々な重症疾患において感染合併症が重篤化すると、多臓器障害をきたし予後不良となる。一連の巨大生体侵襲に対する反応は、全身性炎症反応(Systemic inflammatory response syndrome:SIRS)とよばれ救急医学の重要な研究分野となっている。腸管は、巨大な侵襲をうけたときのターゲットになり、腸内細菌や腸管粘膜免疫バランスの崩壊などがSIRSの進展に影響すると考えられている。我々は、SIRS患者に対して、腸内細菌叢評価と腸管内治療であるSynbioticsの効果について研究を行った。 (1)侵襲時は、生体に有用な効果をもたらす菌であるBifidobacteriumとLactobacillusは、健常人と比べると100から1万分の1に有意に減少するが、「病原性」を有するブドウ球菌数は、健常人の100倍程度に増加した。大腸の上皮細胞の主要なエネルギー源である便中の有機酸、特に抗炎症効果のある短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)は、有意に減少した。 (2)シンバイオティクスにより、腸内細菌叢と腸内環境を保つことができた。また、感染の合併率は、投与群は非投与群と比べて、腸炎(7%vs.46%)、肺炎(20%vs.52%)、菌血症(10%vs.33%)ともに有意に低かった。 (3)シンバイオティクス投与患者(50例)においても腸管蠕動不全を呈する患者(5例)では、腸内細菌叢が著しく崩壊し、全例菌血症から死の転帰をとった。 以上より、正常細菌叢の崩壊が感染合併症の増加や予後の悪化と関連していると考えられる。対策としては、シンバイオティクスによる正常細菌叢の安定化が、感染合併症を防御する可能性が考えられる。また、腸管蠕動を維持することがSynbioticsの効果を維持するためには必要と考えられる。今後、Synbioticsに関する一層の研究、発展が望まれる。
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