研究課題/領域番号 |
17591898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2006-2007) 日本医科大学 (2005) |
研究代表者 |
相星 淳一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50256913)
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研究分担者 |
山本 保博 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70125079)
小池 薫 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10267164)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50178323)
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 助教 (00318528)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,650千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | リゾリン脂質 / 腸間膜リンバ液 / 出血性ショック / 代用血液 / 保存血 / 多臓器障害 / 好中球 / Nuclear magnetic resonance spectroscopy / 腸間膜リンパ液 / 脂質メディエータ / 肺傷害 / lyso-phosphatidylethanolamine / lyso-phosphatidylcholine |
研究概要 |
1.出血性ショック後の腸間膜リンパ液中に存在するメディエータの同定 ショック後の腸間膜リンパ液には、サイトカインとして、tumor necrosis factor、cytokine-induced chemoattractant-1、脂質メディエータでは、リノール酸lyso-phosphatidylethanolamine(LPE)、リノール酸lyso-phosphatidylethanolamine(LPC)、アラキドン酸LPE、アラキドン酸LPCが含まれており、それらメディエータの定性および定量に成功した。 2.メディエータの生物活性の検討 リノール酸LPC、LPE、アラキドン酸LPC、LPEのヒト好中球に対する生物活性(活性酸素産生能、エラスターゼ放出能、遊走能)について検討した。その結果、これら4つのリゾリン脂質は、用量依存的にヒト好中球に対して生物活性を示すことを確認した。世界的にも腸間膜リンパ液に存在するメディエータの報告はなく、また、これらのメディエータの産生部位・機序の解明は、ショックに続発する多臓器障害の治療に繋がるものと期待される。 3.出血性ショックに対する保存血輸血、あるいは代用血液投与後の肺傷害、腸間膜リンパ液の生物活性の検討 正常ラットから保存血を作製し、ラット出血性ショックモデルに投与し、腸間膜リンパ液の生物活性(好中球活性酸素産生能)について検討した。その結果、保存血輸血は、新鮮血投与群と比較して、リンパ液の生物活性を有意に増加させる。一方、代用血液の投与は、新鮮血投与群と比較して、リンパ液の生物活性を有意に低下する。以上より、代用血液の投与は、ショック後の肺傷害や全身性炎症反応症候群を軽減する可能性が示唆され、多臓器障害の治療戦略になるものと期待される。 4.出血性ショックに対する代用血液の腸管組織酸素代謝に与える影響 代用血液の腸管組織酸素代謝に対する影響を検討するため、NMRを使用して腸管の乳酸およびアラニンを測定した。その結果、代用血液は新鮮血投与群と等しく、ショック後の腸管の酸素代謝を改善した。今日までの研究では、保存血は腸管虚血や多臓器障害の発症に関与することが報告されており、保存血に代わる蘇生輸液として、代用血液の有用性が示された。
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