研究課題/領域番号 |
17591935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
美藤 純弘 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20240872)
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研究分担者 |
松尾 龍二 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30157268)
舩橋 誠 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80221555)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 上唾液 / 抑制性シナプス伝達 / 発達 / GABA / グリシン / スライス標本 / パッチクランプ法 / Cl^-イオン / 上唾液核 / Crイオン |
研究概要 |
上唾液核は顎下腺・舌下腺などを支配する副交感神経の一次中枢である。我々は、上唾液核細胞の興奮性シナプス伝達はグルタミン酸によって、抑制性はGABAおよびグリシンによって行われていることを明らかにした。発育時、口腔機能は劇的に変化する。これに伴って上唾液核細胞に対するシナプス伝達は発達する可能性がある。本研究は上唾液核細胞における抑制シナプス伝達の生後発達について電気生理学的に検討した。生後2-14日齢(P2-14)のWistar系ラット使用した。上唾液核細胞は逆行性軸索輸送法により蛍光色素で標識した。スライス標本を作製し、標識細胞からグラミシジン穿孔パッチクランプ法により記録を行った。 実験中、グルタミン酸入力は遮断しておいた。電圧固定下、記録細胞の近傍を電気刺激することにより抑制性シナプス後電流を(IPSC)を誘発した。電流電圧曲線を作成することにより逆転電位を検索した。抑制性シナプスの機能を調べる為、電流固定下、静止膜電位においてGABAを急速投与(1mM,100ms)した時の膜電位変化を調べた。IPSCの減衰過程は2次の指数関数でフィットされ、その時定数は発育と共に速くなる傾向にあった。P2-4、P5-7およびP8-14の逆転電位はそれぞれ-52.6±5.1mV(n=9)、-62.3±1.6mV(n=12)および-71.4±1.5mV(n=12)で、発育に伴って過分極方向にシフトした。GABAを投与した時、P2-7の多くの細胞は脱分極(n=9/12)し、P8-14の多くの細胞は過分極(n=7/9)した。 よって上唾液核細胞の抑制性シナプス伝達の機能はP8を境に興奮性から抑制性に変化することが示された。このことから、自律系のニューロンは運動系のニューロンよりも早く成熟レベルに達することが示唆された。
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