研究課題/領域番号 |
17591943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大西 智和 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (30244247)
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研究分担者 |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10303629)
柿元 協子 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40274849)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 口腔癌 / TLR-4 / HGF / c-met / JNK / TLR / MyD88 / 炎症 |
研究概要 |
口腔細菌が起こす免疫反応が口腔癌の一つの誘因であり、TLR-4を介したシグナルが口腔内の癌化と深く関わっていると考え口腔内細菌による炎症性反応と口腔癌の関連性を探るためTLR-4を介したシグナル伝達に注目した。TLR-4シグナル伝達分子であるMyD88、及びTLR-4によるシグナルで活性化されるJNK1/2を制御する脱リン酸化酵素である、MAP kinase phosphatase-macrophage(MAPK-M)にターゲットを絞った。MyD88の遺伝子改変マウス及びMKP-Mの遺伝子改変によりMKP-Mを不活化させたマウスを用い、発癌剤4-nitroquinoline 1-oxide(4-NQO)によって口腔癌を誘発した。MyD88遺伝子改変マウスでは、4-NQO誘導性の舌の腫瘍の発生が減少した。さらに、MKP-Mの活性をなくしたマウスでは、コントロールより大きな腫瘍が認められた。そして、これらの舌からtotal RNAを取り出し、逆転写PCRおよびreal time PCRを行ったところ、癌原遺伝子であり、肝細胞増殖因子(HGF)の受容体でもあるc-metの発現が、4NQO処理マウスでは多く認められた。一方MyD88遺伝子改変マウスではc-metの発現は少なく、さらにMKPM遺伝子改変マウス舌ではc-metの発現はさらに多くなっていた。 次に、MyD88遺伝子改変マウスの歯肉より線維芽細胞をoutgrowthにより増殖させ培養を行った。そして、癌成長因子でもあるHGFの発現調節をIL1βまたはLPSにて刺激を行った。これら培養線維芽細胞よりmRNAを取り出し、HGF及びc-metの遺伝子発現を検討した。その結果、MyD88遺伝子改変マウス歯肉からとられた線維芽細胞は、IL1やLPSによってHGFやc-metの発現の変化はなかった。一方、コントロールマウス及びMKP-M遺伝子改変マウスより得られた線維芽細胞は、従来の報告通りIL1及びLPSによってHGFの発現上昇が認められた。これらの知見は、MyD88が炎症性サイトカインIL1シグナルやLPSによるTLR-4シグナルの伝達系において重要な役割を果たしていることが確認され、HGFという増殖因子発現上昇においてもMyD88の役割の重要性が示された。 以上のことから、口腔癌においても細菌感染による炎症誘発に関わるシグナル伝達分子が何らかの役割を示していることが明らかとなった。そしてその原因の候補となる分子が、癌細胞の増殖因子であるHGFそしてその受容体であり原癌遺伝子でもあるc-metである。
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