研究課題
基盤研究(C)
三叉神経節内におけるニューロンとグリア細胞間クロストークが侵害受容三叉神軽節(TRG)ニューロンの興奮性を炎症誘発下において変調させるか否かを電気生理学的及び免疫組繊化学的に解析した。起炎物質(CFA)を顔面皮膚に注入して炎症モデル動物を作成した。炎症群(CFA投与48時間)ラットの機械刺激に対する逃避反射の閾値は対照群(溶媒投与)に比較して有意に減少し痛覚過敏が確認された。炎症誘発により三叉神経節内のGlial fibrillary acidic protein(GFAP)免疫陽性グリア細胞で囲まれたTRGニューロンの数は対照群に比較して有意に増加し、GFAP陽性細胞は同時にIL-1β免疫活性を示していた。一方,Fluorogold(FG)により標識された炎症組繊由来のIL-1β受容体免疫陽性TRGニューロンの数は対照群に比較して有意に増加していた。炎症群のFG標識小型TRGニューロンのほとんど(70%)はIL-1β投与により脱分極性応答を示したが,対照群では少数のニューロンしか応答しなかった。一方、In-vivoにおいて顔面皮膚電気刺激に応じるAo-TRGニューロンより細胞外ユニットを記録した。炎症群ラットの自発放電発現率と最大発火率は対照群に比較して有意に増加し、また炎症群の自発放電頻度は電気泳動的に投与したIL-1β受容体拮抗薬であるIL-1raにより有意に減少した。また侵害機械刺激に対するユニット放電は炎症群において有意に増加しており、この放電頻度と閾値はIL-1raにより対照群との有意差は消失した。これらの結果は三叉神軽支配領域で炎症により三叉神経節内のグリア細胞の活性化及びそこで産生/パラクリン分泌されるIL-1βが小型TRGニューロン興奮性の変化に強く関わることを示唆しIL-1βの受容体の阻害薬が痛覚過敏発現の抑制に有効であることが推察された。
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Brain Behavior Immunity (In press)
Brain Behavior Immunity (in press)
Neuronal Pathways Research(In : Editor, Florian L Pichler, New York, USA, Nova Publishers) (in press)
Pain 129
ページ: 155-166
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Neuroscience Research 55