研究課題/領域番号 |
17591984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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研究分担者 |
菅原 由美子 東北大学, 病院, 助教 (30235866)
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60225274)
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80302157)
遠藤 康男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (50005039)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 歯痛 / 交感神経 / 歯髄炎 / 疼痛制御 / WGA-HRP順行性標識 |
研究概要 |
交感神経が痛みの発生・維持に重要な役割を演じていることは古くから知られており、その末梢修飾機序として交感神経の血管収縮作用に基づく痛みの悪循環説(痛み→交感神経興奮→血管収縮→血流低下→組織障害→痛み)が有力視されていた。近年、交感神経と痛覚線維の間の相互作用(cross talk)が皮膚領域で明らかとなった。すなわち、痛覚線維は正常では交感神経刺激やノルアドレナリン局所投与に対して反応しないが、受容野に神経損傷や炎症が起こると反応するようになること、また、この反応は交感神経受容体(α_2)阻害薬の前投与によって消失することが報告された。痛みが増強されるメカニズムとしては、交感神経の興奮が末梢レベルや脊髄神経節内での異常連絡を形成し、痛覚線維を興奮させると考えられているが、確実な証明には至っていない。歯痛は日常の歯科臨床において最も頻繁にみられる症状であるが、この痛みに交感神経が関与するかどうかは現在のところ不明である。しかしながら、歯痛は気圧、血圧、情動に左右されることから交感神経依存性疼痛と類似性が認められること、また、特発性歯痛が交感神経依存性疼痛の範疇に含まれる可能性を示唆する報告があることなどから、歯痛に対する交感神経の末梢修飾機序が存在する可能性は大きい。そこで本研究では、歯痛の最大の原因となる歯髄をターゲットとし、歯髄炎が生じた場合の痛覚線維と交感神経の相互作用に焦点を絞って研究を進めた。 得られた結果は下記の通りであり、神経生理学的に権威のある国際誌に掲載された。 1. 正常歯髄において、(1)交感神経終末の分布は三叉神経終末と比較し非常に少ないこと、(2)交感神経の神経終末は象牙芽細胞体に近接して存在すること、(3)象牙細管内の象牙芽細胞突起には交感神経の神経終末は存在しないことが示された。 2. 窩洞形成により惹起された歯髄炎において、交感神経終末は正常歯髄群に比べて有意に増加していた。
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