研究課題
基盤研究(C)
Ets-1は、MMP-1発現において重要な役割を持つ転写因子である。また、MMP-1のプロモーター領域-1607での一塩基多型は、Ets-1の結合能に影響を及ぼすといわれている。そこで各種歯根膜紺胞においてEts-1結合能を調べるため以下の実験を行った。1.ヒト歯根嘆組胞の培養当研究室でストックしている数種の歯根膜細胞を、10%ウシ胎児血清を含むα-MEM(α-modificd minimum csscnlial Medium)で培養した。実験には継代数5〜10代までを用いた。コンフルエントに達した細胞は1%ウシ胎児血清を含むα-MEMで24h培養し、その後腫瘍壊死因子(TNF-α)で刺激した。2.ノーザンプロット法によるMMP-1 mRNAおよびets-l mRNA発現の検討培養細胞の全RNAをAGPC(Acid Guanidinium-Phenol-Chloroform)法で抽出し、ノーザンプロット法によりMMP-1mRNAおよびcts-1mRNA発現を調べた。3.MMP-1およびEts-1タンパクの測定培養上清からELISA法およびウェスタンブロット法によりMMP-1およびEts-1タンパク産生量を検討した。4.ゲルモビリティシフトアッセイによる転写因子Ets-1結合能の検討培養細胞の核タンパクをDlgnamらの方法で抽出し、ゲルモピリティシフトアッセイを行った。すなわち、コンセンサスEts-1モチーフ(5-AGTCGAGGAAGTGACTAACTG-3')を合成オリゴヌクレオチドプローブとして川いて、核タンパク抽出物のDNA結合活性を調べた。以上の実験から、次のような結果が得られた。TNF-αはMMP-1mRNAおよび蛋白産生を誘導した。細胞の違い(個体差)による発現垂の違いは、認められたが、ELISA法による結果から有意差は認められなかった。また、TNF-αはEts-1mRNAおよび蛋白産生を誘導した。細胞の違い(個体差)による発現量の違いは、認められなかった。さらに、TN-αは転写因子Ets-1の活性化を誘導した。細胞の違い(個体差)による活性化の違いも確認できた。今後はルックLアッセイにより、プロモーター活性の細胞間の違いを検討するとともに、high response群とlow response詳の遺伝子解析をすすめていきたい。
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J Periodont Res
J Periodont Res 42
ページ: 53-61
J Periodont Res, Peer reviewed 42
JOURNAL OF PERIODONTAL RESEARCH 42・1
J Periodont Res, Peer reviewed (in press)