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歯髄の生死を決定づけるスイッチファクターの同定とその機能分析

研究課題

研究課題/領域番号 17591998
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 保存治療系歯学
研究機関鹿児島大学

研究代表者

徳田 雅行  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20253891)

研究分担者 鳥居 光男  鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
長岡 成孝  鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (10155913)
研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードVR-1 / PAR-2 / サブスタンスP / IL-6 / ERK MAPK / p38 MAPK / AP-1 / Sp-1 / アナンダマイド / MTTアッセイ / フローサイトメトリー / 細胞死 / アポトーシス / CB2 / MAPキナーゼ
研究概要

私たちは,歯髄の生死を決定付ける因子としてVR-1とPAR-2について検討した.侵害性受容体VR1(TRPV1)の内因性リガンドであるアナンダマイド(AEA)が歯髄細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導することを明らかにした。詳細は以下の通りである。1)AEAは、濃度依存的(10〜30μM)に歯髄細胞のCell viabilityを減少させた。これは、MTTアッセイと細胞形態により確認された。2)AER(5μM)で24時間制激して細胞をPropidium Iodide(PI)処理し、蛍光顕微鏡で観察したところ核の断片化が見られた。3)さらにAEA(10μM)で24時間刺激した細胞をPI処理し、DNA量をフローサイトメトリーにて分析したところ、SubG0/G1すなわち細胞の増殖が停止している細胞集団が見られた。4)AEAの別の受容体であるCB2レセプターの発現を確認した上で、そのアンタゴニストとVR1アンタゴニストによるAEAの細胞死抑制をみたところ、VR1よりCB2の関係が深いことがわかった。5)MAPキナーゼの影響を調べたところ、ERKの関係が強く示唆された。以上より、AEAによる阻触細胞のアポトーシスは、CB2、VR1、ERKを介することが明らかとなった。
また,PAR-2は歯髄細胞にRNA,タンパクレベル両方において発現していること,および炎症性因子であるIL-6およびTNF-aの発現に関与していることを確認している.そこで,今回はPAR-2を介する神経ペプチドであるサブスタンスP(SP)の歯髄細胞における炎症反応に対する関与について以下の結果を得たので報告する.1)SPは,歯髄細胞に対してIL-6産生を濃度依存的に誘導していた.その作用時間は刺激後24時間から48時間で上昇していた.2)SPによるIL-6産生誘導は,ERK MAPキナーゼとp38 MAPキナーゼに対する特異的阻害剤で抑制されたが,JNKに対する特異的阻害剤では阻害されなかった.3)SPによるIL-6産生誘導は,転写因子AP-1とSp-1に対するsiRNAをトランスフェクションした細胞において抑制された.以上より,サブスタンスPで誘導される炎症性ファクターIL-6の産生誘導は,ERKおよびp38 MAPキナーゼと転写因子Ap-1およびSp-1を介することがわかった.
現在,この結果を踏まえてSPの誘導に関与するPAR-2の役割を分析中である.今のところ,MAPキナーゼや転写因子に関して両者のスイッチとなるファクターの同定はできていない.今後,VR-1とPAR-2に関与するシグナルに関与するMAPキナーゼや転写因子の詳細を検討し,歯髄の生死に炎症反応がどう関わるかを追求する予定である.

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 培養歯髄細胞におけるサブスタンスPのIL-6誘導に対するMAPキナーゼと転写因子の関与2006

    • 著者名/発表者名
      徳田雅行, 作田哲也, 小山徹, 達山祥子, 長岡成孝, 鳥居光男
    • 雑誌名

      日本歯科保存学会誌 49・4

      ページ: 552-557

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Substance P activates p38 mitogen-activated protein kinase to promote IL-6 induction in human dental pulp fibroblasts2005

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Tokuda, Rie Miyamoto, Tetsuya Sakuta, Shigetaka Nagaoka, Mitsuo Torii
    • 雑誌名

      Connective Tissue Research 46

      ページ: 153-158

    • NAID

      10018086965

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Substance P activates p38 mitogen-activated protein kinase to promote IL-6 induction in human dental pulp fibroblasts2005

    • 著者名/発表者名
      Tokuda M., Miyamoto R., Sakuta T., Nagaoka S., Torii M.
    • 雑誌名

      Connect. Tissue Res. 46

      ページ: 153-158

    • NAID

      10018086965

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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