研究課題/領域番号 |
17592017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
永井 正洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特任助教 (10013971)
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研究分担者 |
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
門磨 義則 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (00092403)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30126263)
小山 富久 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70361714)
石綿 勝 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70292985)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,610千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 要介護者 / 高齢者 / レジン床義歯 / 義歯粘膜側軟質レジン層 / EHMA-MMA共重合体 / 軟らかさ / 緩和応力速度 / 圧縮後寸法回復率 / 軟らかさ係数 / 硬質 / 軟質レジン複合化構造 / 軟質レジン / 圧縮特性 / 引張特性 / 義歯床下粘膜 / 軟質レジン複合化床義歯 |
研究概要 |
本研究では、要介護高齢者の義歯設計コンセプトとして、咀嚼時の床下粘膜への刺激を和らげることを優先させ且つ適度の咀嚼力をも確保できることを念頭において,新規軟質レジン床義歯の開発を行なった。その軟質レジンとして、メタクリル酸2-エチルヘキシル(EHMA)-メタクリル酸メチル(MMA)共重合体に注目し、予備試験によりEHMAの力学的効果を示唆した。次に、義歯軟質裏装材に必要な力学的特性:軟らかさ、緩和応力速度および圧縮後寸法回復率について、本研究で考案した試験法により、詳細な検討を行なった。その結果、軟らかさは、EHMA組成比が80%を超えると指数関数的に増大した。緩和応力速度は、EHMA60%以上の範囲では満足のゆく応力緩和現象が得られた。圧縮後寸法回復率は、EHMA60%、70%のものは弾性的回復挙動を示し、80%、90%、100%のものは粘弾性的回復挙動を示した。しかし、EHMA80%以上の共重合体は30秒後にはほぼ100%の回復率を示し、この程度の遅れは臨床的には問題ないと判断した。このように、EHMA効果が認められた。そこで、試みに上下顎全部床義歯を作製した。先ずEHMA-MMAシート(1mm厚)を準備し、それを歯槽堤石膏模型に適合するように、あらかじめその模型下で加熱成形後、義歯粘膜面のサイズにトリミングした。次に、従来のレジン床義歯作製時の最終段階でそのEHMA-MMAシートを裏装させ、温熱加圧重合法により作製した。なお、床用アクリルレジンとEHMA-MMAシートとの接着は化学的結合であり、剥離することはない。以上の結果から、このような粘弾性特性を有する軟質レジン床義歯は、咀嚼時に義歯床下粘膜に動的に伝達される支持圧力を分散、緩和させるので、咀嚼時の疼痛を回避することが大いに期待できる。また、付随的には、軟質レジンの特徴を活かし、その印象採得を工夫することによって、義歯の適合性の向上をも期待できることが示唆された。
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