研究課題
基盤研究(C)
ビスフェノールA(BPA)誘導体やフタル酸エステルの一部は歯科用材料の一成分として使用されている。チトクロームP450(CYP)は発癌性前駆物質の代謝活性化に関与していると考えられている酵素である。歯科用材料の成分がこれらの酵素とどのように関わっているかほとんどわかっていない。そこで遺伝子導入細胞を用いてビスフェノールA(BPA)誘導体やフタル酸エステル等の細胞毒性発現の解明と代謝活性化酵素、特にCYP1A1の誘導メカニズムを解明することを目的とした。CYP1A2とCYP2E1、CYP3A4、CYP3A7は今回実験した歯科用レジンモノマーを代謝活性化しないことが判明した。ヒト肝臓癌由来のHepG2細胞を用いてビスフェノールA(BPA)と2-(ジ-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)のCYP1A1誘導能をPolymerase chain reaction (PCR)法とルシフェラーゼアッセイで調べ、その誘導機構を考察した。その結果BPAは、Aryl hydrocarbon Receptor (AhR)を介して異物応答配列(XRE)に結合し、レベルは低いがCYP1A1を発現誘導することが示唆された。さらにAhRも発現誘導することが示唆された。このAhR発現誘導がBPAとMCの共暴露によるCYP1A1 mRNAレベルの相乗的誘導の理由であると考えられた。さらにCYP1A1の発現誘導に細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が関与していることが示唆された。DEHPは、AhRを介してCYP1A1を発現誘導する傾向はあったが、有意に誘導することはなかった。さらにAhRの発現を誘導することもなかった。したがってBPA誘導体とフタル酸エステル類は細胞内のCYP1A1を誘導するための受容体に対する反応が違うと推測され、さらにCYP1A1の誘導にはCa^<2+>の存在が必須であると考えられた。
すべて 2007 2006
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第48回日本歯科理工学会学術大会(札幌)抄録 : 歯科材料・器械 26・2
ページ: 240-240
130006963324
84^<th> International Association for Dental Reseach (Brisbane), Abstract : J Dent Res #0958 85,Special Issue B(CDROM)
第48回日本歯科理工学会学術大会(名古屋)抄録 : 歯科材料・器械 25・5
ページ: 356-356
84^<th> International Association for Dental Research (Brisbane), Abstract : J Dent Res, #0958 85, Special Issue B (CD-ROM)
第48回日本歯科理工学会学術大会(名古屋)抄録 : 歯科材料・器械 25.5