研究課題/領域番号 |
17592086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
汪 華 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50363081)
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研究分担者 |
張 雁 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50332797)
吉子 裕二 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20263709)
前田 憲彦 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60049418)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Tie2 / Angiopoietin / Haemangioma / Angiosaicoma / Fibrous growth factor 23 / Hemangioma / Angiosarcoma |
研究概要 |
内皮細胞の特異的受容体Tie2は血管のstroma細胞が発現するAngiopoietins(Ang)の受容体遺伝子であり、血管新生に重要な働きをしていることが報告され、家族性静脈奇形の責任遺伝子と考えられている。私たちは、37症例の血管腫において新たな変異を2種類同定した。I型のうち3症例にG2646変異を認め、同変異はATP結合領城内のGlycineのAspartic Acidへの置換(G833D)を示唆した。また、II型のうち1症例にA2659Tを認め、同変異はATP結合領域近傍のGlutamineのHistidineへの置換(O837H)を示唆した。ヒト血管肉腫細胞株ISO-HASとISOS-1ではTie2の遺伝子変異を認めず、Ang2,Tie2,血管新生因子VEGFおよび繊維芽細胞増殖因子23(FGF23) mRNAの高発現を認めた。 さらにTie2野生型遺伝子、G833D或いはQ837Hの変異遺伝子を導入した血管内皮細胞を用いて、Tie2チロシンキナーゼリン酸化活性及びシグナル伝達を検討した。その結果、野生型細胞では、Ang1に依存した活性を認めたが、G833D細胞およびQ837II細胞では、Ang1に依存しない恒常的自己リン酸化活性を認めた。Ang1存在下で、Ang2は濃度依存的に野生型細胞のTie2リン酸化活性を抑制したが、G833D細胞では、Ang2による抑制を認めなかった。各細胞におけるFGF23 mRNAの発現を半定量RT-PCRにて検討した。野生型Tie2遺伝子導入した細胞と比較して、G833D細胞ではFGF23 mRNAの高発現を認めた.そこで、我々は、Adeno-X^<TM>発現系を用いてFGF23の組換えアデノウイルスを作成し、培養細胞に対する影響を検討した。FGF23の過剰発現は細胞増殖能の影響を認めず、骨芽細胞の石灰化ノジュールの形成に抑制的に働く結果が得られた。また、器官培養でFGF23の過剰発現は新生骨の石灰化の抑制を認めた。これらの結果は、Ang/Tie2シグナルはFGF23の発現および血管内皮細胞の分化能の調節に重用な働きをしていることを示唆している。
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