研究課題
基盤研究(C)
脳性麻痺患者は、口腔衛生管理の困難性、障害の持つ特異性から歯科疾患に罹患しやすく、特異な疾患の発症や増悪過程を示すものが多く、治療も困難なため、その予防は重要である。特に、フェニトインなどの抗てんかん薬を長期に服用している場合は、副作用として歯肉増殖症を発現することが多く、口腔清掃の不十分さゆえ、著しく重症化し、慢性化することがある。これら、脳性麻痺患者に特有の歯周疾患の発症因子および増悪因子を明らにできれば、効果的に予防および治療を行うことが可能になると考えられる。そこで本研究では、基礎的研究として、脳性麻痺患者から得られた抗てんかん薬誘発性歯肉増殖症の歯肉切除標本に対して透過電子顕微鏡を用いて観察を行い、抗てんかん薬を服用していない患者の歯肉と比較検討した。さらに、フェニトイン投与ラット歯肉の電子顕微鏡的観察を行った。一方、臨床的研究として、脳性麻痺患者を主体とした重症心身障害者入所施設における歯科医療従者による口腔保健管理が歯周疾患および全身に与える影響について検討した。その結果、抗てんかん薬誘発性歯肉増殖症患者歯肉の電子顕微鏡所見では、膠原線維の増生と線維芽細胞の細胞質内の粗面小胞体およびゴルジ装置の増加が認められた。フェニトイン投与ラットの歯肉も同様の所見で、これらのことからタンパク合成の充進が示唆された。また、脳性麻痺患者の口腔衛生状態が改善することによって歯周疾患の症状が改善し、全身発熱の日数が減少した。
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