研究課題/領域番号 |
17592193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
井手 玲子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (70352325)
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研究分担者 |
賓珠山 務 (寶珠山 務) 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (20258627)
高橋 謙 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90226829)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 歯科保健 / 医療費 / 横断研究 / 縦断研究 / 保健行動 |
研究概要 |
歯周疾患の医科医療費と歯科医療費への影響を評価した。3年半の観察期間において、重度歯周炎群の累積総医療費は病的な歯周ポケットのない群より21%高かった。男女とも入院割合は、重度歯周炎群で最も高かった[男性:odds ratio(OR)=1.34;女性:OR=1.29]。男性では、重度歯周炎群の年間入院医療費は、病的な歯周ポケットを有しない群より75%高かった。外来医療費では、一定の傾向は認められなかった。年間歯科受診割合は重度歯周炎群で最も高く(男性:OR=2.07;女性:OR=1.46)、歯科医療費は男女とも歯周疾患が重症になるにつれ増加していた。歯周疾患は、男性において糖尿病、胃腸疾患の医療費と、男女とも肝疾患の医療費との関連が示唆された。以上より、歯周疾患は歯科のみならず入院による医療費の増加への影響があるのではないかと考えられた。 メンタルヘルスと口腔状況との関連について検討した。メンタルヘルスはGeneral Health Questionnaire(GHQ-12)で測定された。GHQスコアは、ウ蝕のありなし、喪失歯、歯周病とは関連していなかった。自覚症状"見かけが気になる"に関する調整されたGHQスコアの平均は男女とも有意な差が認められた。ほとんどすべての口腔内症状で、「あまりない」「まったくない」と回答した人がもっとも低いGHQスコアを示した。メンタルヘルスと臨床的な指標で測定した口腔状況とに関連は認められなかったが、自覚症状のいくつかの項目とは関連が認められた。口腔の自覚症状がないことは良好なメンタルヘルスと関連しているようであった。 歯科検診参加群と不参加群の歯科医療費を比較した。50歳以上では参加率が低く、参加群で歯科医療費が高い傾向を示した。50歳以上になると歯周疾患による口腔内の困りごとが顕著になり、複雑な歯科治療へのニーズが高まることによるものと考えられる。
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