研究課題/領域番号 |
17592267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 名古屋大学 (2006-2007) 福岡県立大学 (2005) |
研究代表者 |
国府 浩子 名古屋大学, 医学部, 准教授 (70279355)
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研究分担者 |
阿部 恭子 千葉大学, 看護学部, 特任研究員 (00400820)
田渕 康子 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (90382431)
熊谷 有記 福岡県立大学, 看護学部, 助手 (10382433)
中條 雅美 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20382426)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,760千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 意思決定 / 乳がん患者 / 初期治療 / 看護 / モデル / 支援モデル / プロセス |
研究概要 |
本研究は、患者および看護師を対象とした二方向からの調査を行い、乳がん患者の意思決定プロセスの現状を明らかにし、乳がん患者の意思決定プロセス支援モデルが、実践レベルで活用されていくことを目指した。以下本研究の成果を示す。 1.乳がん患者19名を対象に面接調査を行い、患者が経験する困難と周囲との関わりについて明らかにした。患者が経験する困難とは、不安的な精神状態でも決定しなければならないことであり、不確かさや周囲からのサポート不足、命と責任の重みに圧倒される状況が冷静に考えられない困難を助長していた。また、サポート源による役割の特徴とその限界が明らかになり、患者は周囲のサポート役割を自らが使い分けていたことが示された。 2.意思決定に伴う葛藤の程度と影響する要因を明らかにすることを目的に、質的研究結果に基づいた量的研究での実証を試みた。患者は、中等度および高い葛藤を示し、患者の困難感は質的研究結果と同様の因子構造を示した。また、葛藤と精神的回復力、満足度、前向きな態度において負の相関がみられ、葛藤に影響する要因が示された。 3.患者が認識する看護援助を明らかにするために調査を行った結果、情報提供や情緒的支援だけでなく、意思決定役割を強化する援助など治療選択の現実に向き合える支援が必要であることが明らかになった。看護師対象に行った看護実践状況と困難さに関する調査結果では、精神的支援は困難と感じておらず、実践されている割合が高かった。その反面、患者の個別性に応じた情報提供やパートナーとの関わりを促す援助は、困難を感じ実践の割合が低かったなど、臨床現場での課題が明らかになった。 4.今後の課題として、構築された乳がん患者の意思決定プロセス支援モデルの実践での適応度を事例により検討を重ねていくとともに、介入研究によるモデル評価を行う必要がある。
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