研究概要 |
歩行や立位姿勢の安定に関与する足部の役割に注目し,高齢者の転倒を予防するフットケアに活かす蜜齢勺研究として,高齢者の足部の接地伏態および足部の問題を明らかにし,さらに,筋力・バランス能力など身体機能,日常生活,転倒との関連を検討した.対象は,インフォームドコンセントの成立した立位可能な高齢者とした.1.虚弱高齢者17名と健康高齢者71名を調査した結果,両群とも足足趾の接地状態の不良な者と転倒経験の関連が示唆された.2.地域高齢者105名を対象に足部の問題と転倒について調査した結果,約60%に足の問題を認めた.足問題あり群の転倒は,複数回,平坦な揚所,損傷を伴う傾向がみられた.3.地域高齢者87名を対象に安静立位から最前傾に至る足部の接地状態を調査し,筋力,重心動揺,足問題,転倒との関1車を検討した.足趾の接地分圧は,安静立位時と比ぺて最前傾時が高かった.安静立位時と最前傾時の足趾の接地状態は,いずれも接地するI群,最前傾時の接地するII群いずれも接地しないIII群に大別された最前傾時の母趾の接地分圧は,I群およびII群では体重の約10%,III群は約5%であった。III群は筋力やバランス機能,歩行能力が低く、転倒のリスクカ淘傾向を認めた.以上から、足趾の接地伏態から転倒予測の指標となる可能性および足趾の接地に対するケアの転倒予防効果が示唆された。
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