研究課題/領域番号 |
17592327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 岡山大学 (2007) 聖路加看護大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
長江 弘子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (10265770)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,270千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 家族介護者 / 退院直後の生活 / グラウンデッド・セオリ / 退院支援 / 在宅移行期 / 生活感覚 / 高齢者介護 / 病人とともにある生活 / 生活を創りだすプロセス / 高齢者 / 生活の意味 / 思考プロセス / 生活 |
研究概要 |
本研究では、文献レビューとフィールドワークを繰り返しながら、当事者の見方で「退院する」という出来事をどのように受け止め、解決していこうとするのかに焦点を当て、理論化することを目的とした。研究手法はシンボリック相互作用論を理論的前提とするグラウンデッド・セオリー・アポローチを用いた。その結果、家族介護者にとって家は生活の基盤であり、その家という場の空間と時間を基本的な思考枠組みにし、生活を作り出していた。そして、過去の暮らしの経験から培われた価値観と一緒に暮らす病人との生活を重ね合わせ、自分のやり方を見出し、誰のためでもない介護者自身の生活を作り出していたことが示された。 在宅移行を経験する家族介護者の生活を創り出すプロセスとは、「自分がわかる」を創りだしていくことによって、新たな自分の生活をわかるようにしていくプロセスであると見出された。このプロセスは"自分の生活がわからなくなる"から、"新たな自分の生活がわかるようになる"までの状況の変化を示しており、「病人が家にいる」ことを家族介護者が主観的に意味づけた生活感覚という認識の変化であった。生成された理論は、Glaser and Strauss(1965)およびStrauss & Corbin (1996)の提唱する理論化における特性によって検証され、退院直後の当事者の現実に適合し、当事者に理解可能な形で理論化されたことが明らかとなった。それゆえ、本研究の知見は退院前後にかかわる保健医療福祉にかかわる支援者にとって当事者の変化をとらえる指標となるばかりではなく、支援の妥当性を把握するための指標となる示唆が得られたと考える。
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