研究課題/領域番号 |
17604002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食の安全
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研究機関 | 東京理科大学 (2007) 筑波大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
谷中 昭典 東京理科大学, 薬学部, 教授 (80272201)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 胃癌 / 大腸癌 / 化学予防 / スルフォラファン / 機能性食品 / 酸化ストレス / 橋渡し研究 / ヘリコバクターピロリ / nrf2 / 予防 / ブロッコリースプラウト / 転写因子nrf2 / 抗酸化酵素 / がん予防 / 大腸炎 / Helicobacter pylori / 胃炎 |
研究概要 |
【背景・目的】ブロッコリースプラウト(BS)に豊富に含まれるスルフォラファン(SFN)はnrf2を介して生体の酸化ストレス応答能を強化することにより発癌を予防する可能性が示唆される.本研究では、SFN含有食品であるBSの摂食が(1)H.pylori(Hp)感染マウス、及びヒトHp感染者において、胃炎を軽減させるか、(2)発がん剤により惹起されるマウスの大腸腫瘍、ならびにヒトの大腸腺腫発症を抑制するかについて検討した。 【方法】(1)Hp胃炎に及ぼす影響A.マウスでの検討:Hp感染マウス(野生型、およびnrf2-/-)に対して高塩分食を投与して胃炎を増悪させた。一部のマウスにはBSを同時に摂食させ、胃炎の程度、胃粘膜の抗酸化酵素発現を検討した。B.ヒトでの検討:Hp感染者25名にSFNを含むBS70g/日を8週間毎日摂食させ、摂食前後に便中Hp抗原値と血清ペプシノゲン(PG)値を測定し、Hp菌量と胃炎の程度を評価した。 (2)大腸腫瘍の発症予防効果A.発がん剤による大腸腫瘍発症マウス(野生型とnrf2欠損マウスに対してDSS+AOM投与)において、SFNを含むBSを連日投与し、大腸腫瘍発症予防効果を検討した。B.大腸腺腫症の患者に対して、BSを1年間摂食させ、内視鏡的に新しく発症する大腸腺腫数を計測する臨床試験を企画した。 【成績】(1)A.野生型マウスではBS投与により胃粘膜の抗酸化酵素は上昇し、Hp菌数は減少、胃炎は軽減した。BS投与の影響はnrf2-/-マウスでは認められなかった。B.BS投与により摂食後にHp菌量、胃炎の軽快が認められた。(2)A. BS投与により大腸炎と大腸腫瘍の発症が認められたが、その程度はnrf2欠損型マウスよりも野生型で著明であった。B.上記の臨床試験が現在進行中である。(H21.2.現在) 【結論】BSの継続摂取によるHp胃炎軽減効果(マウス、ヒト)、大腸腫瘍発症予防効果(マウス)が確認され、SFN含有食品による胃癌・大腸癌の発症予防の可能性が示唆された。
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