研究課題/領域番号 |
17611003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会開発と文化
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島田 周平 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 「過剰な死」 / ザンビア / HIV・エイズ / 過剰な死 |
研究概要 |
国連のHIV・エイズ計画(UNAIDS、2006)報告によれば、2006年現在の世界のHIV感染者数は3950万人で、同年のエイズによる死亡者は290万人であったという。このうちサハラ以南アフリカのHIV感染者の数は2470万人、死者の数は210万人と群を抜いて高いことが示されている。このように高い感染率と多い死亡者は、サハラ以南アフリカの社会に大きな影響を与えている。 本研究では、エイズによる影響と思われる「過剰な死」が、どのような社会経済的問題を引き起こしているのかを、1990年以降ザンビアで行ってきた農村調査の結果から検討を行った。その結果、(1)「過剰な死」に直面している世帯はまだ限られ、農村部で広範にみられる現象とはなっていない。(2)農家世帯は、「過剰な死」の影響(例えば孤児養育や労働不足問題)を緩和する高い能力を持っている。しかし(3)一部の世帯では、共同耕作形態が変化する等その影響が顕れてきており、(4)そのような影響が顕在化しはじめた世帯では、主要構成員が亡くなり実質的に世帯の崩壊に至る例もみられた。農家世帯が持つ脆弱性緩和能力の高さは、逆に「過剰な死」に対する危機感を弱めているという危険性を孕んでいることも明らかにした。 これらの成果は、著書及び論文、さらには国内外における学会発表やNHK国際放送などにおいて発表し公表してきた。そのうちの著書2篇に対して平成20年3月、日本地理学会賞(優秀賞)が授与された。
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