研究課題/領域番号 |
17611007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会開発と文化
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松島 泰勝 東海大学, 海洋学部, 助教授 (20349335)
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研究分担者 |
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
岡嶋 格 東海大学, 海洋学部, 教授 (70123073)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 社会開発 / 八重山諸島 / 文化政策 / 経済自立 / 観光開発 / 文化変容 / 島嶼経済 / 自治 / 経済学 / 文化人類学 / 考古学 / 文化財 |
研究概要 |
松島は、八重山諸島における内発的発展の実践について検討した。その際、公共事業によるインフラ整備、観光開発による収入増加を目指す、沖縄の経済自立論を批判的に検討した上で、住民参加による島嶼社会の文化、歴史、自然に基づいた発展の実践例について論じた。社会開発と文化との関係を重視した発展方式が、沖縄全体の発展を考える上においても大きな示唆を与えることを明らかにした。 川崎は、八重山諸島における離島開発計画を検討した上で開発と文化の問題について論じた。特に近年増加傾向にある移住者が島の文化や社会にどのような影響を与えるかについて、ポストコロニアル分析の視点から明らかにした。移住者の増加を開発行為の一局面ととらえ、それによる島嶼社会の変容について検討したところに特徴がある。 岡嶋は、八重山の島々における大規模リゾート・宅地開発、農業基盤整備事業、各種のインフラ開発などにより、文化遺産が破壊される現状について明らかにした。沖縄においては公共事業が活発になるとともに、埋蔵文化財の緊急調査が増加する傾向にあり、遺跡発掘という文化事業と開発が深く結びついている実態について検討した。 本研究では、開発が島の文化にどのような影響を与え、島の文化を保存し、活性化する試みとしてどのようなものがあるのかを明らかにした。また、復帰後の八重山諸島における開発計画や開発の実態、開発による島の資源利用や生業の変化、開発による生態系への影響等について検討した。さらに、八重山諸島の伝統社会が小規模社会開発を作り出す上において有する可能性について、内発的発展として明らかにした。補助金投下型の開発ではなく、島の伝統、文化、歴史を重視したもう一つの開発手法について考察した。 松島は、本研究による研究調査を踏まえて『琉球の「自治」』(藤原書店)を平成18年10月に上梓した。また、平成19年3月10日から12日まで八重山諸島を含む琉球諸島において住民参加による自立活動を実践している方を集めた「ゆいまーる「琉球の『自治』」-万人のもあい」という研究集会を開催した。松島は同研究集会を運営・コーディネートするとともに、本研究の成果の一端を発表した。同研究集会において八重山諸島を含む琉球諸島における開発の実態と、社会開発の可能性、社会開発における文化の重要性が明らかにされた。
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