研究課題/領域番号 |
17612010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人材育成と技術者倫理
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
斉藤 了文 関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)
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研究分担者 |
北詰 恵一 関西大学, 工学部, 助教授 (50282033)
吉田 敬介 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (60191582)
久保井 亮一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (40029567)
水谷 雅彦 京都大学, 大学院文学研究科, 教授 (50200001)
小澤 守 関西大学, 工学部, 教授 (60112009)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 工学倫理 / 制度 / 事故 / 専門家 / 法 / エンジニア / 事故調査 |
研究概要 |
この研究は、人工物の事故をめぐる問題領域の解明を目指した。そのために、公開研究会をこの2年間で計15回開催した。 ここでの講演内容は大きくは3つに分類できる。 まず、基本的な問題としては、多様な現実の中で、どれが考察すべき課題であるかを取り出すことであった。そのためまず必要であったのは、事故の事例の多様な立場からの分析であった。技術者が遭遇した事故事例を取り上げてその観点での分析が行われた。第二に、必要とされたのは、古くからの専門家である医者、公認会計士などの実情であった。その意味で、各分野の専門家、およびその研究者との意見交換ができた。これらを踏まえた上で、エンジニア、技術者を専門家として位置づける方法を探ることができる。第三に、これらの多様な問題領域をまとめる観点を探る必要があった。そのためもあって、哲学研究者の多様な観点の考察の提示が行われ、その実際的な根拠が議論された。 こうして、この研究においては、公開講演会の様々な報告資料が重要なデータとして集められることになった。さらに、そこに基づいた研究成果としての論文も出来上がることができた。 基本の観点は、人工物に媒介された専門家であり、組織に属することによる専門家の変容である。エンジニアは、この両面から、専門家としての社会的位置づけを行わねばならない、というのがこの研究の端的な結論である。 専門家の位置づけの問題に関しては、現実の様々な場面で専門家が(特にエンジニアが)どのような社会的役割を果たしているかを考察した。 専門家としてのエンジニアは、人工物を作ることに関わるという点で特異である(医者や弁護士と比べてみよ)。さらに、企業に属するという点が特徴的である。このような具体的条件の下で、エンジニアという専門家を位置づけることが、日本に生きるエンジニアという専門家の社会的位置づけになる。欧米の専門職の考えをただ導入するのでは済まない。その具体的姿を概観できたのが本報告書である。
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