配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
生物活動に不可欠な酵素などの反応は液体状態の水を必要とする.このため,生物が「生きて活動する」温度範囲は0〜100℃を大きく外れることない.塩分を含み0℃以下でも液体で存在する海水中では,0℃以下でも微細藻類が増殖する.調査を行なったサロマ湖でも,結氷した氷中に残された僅かな海水中で海氷藻類群集(IceAlgae)が活発に増殖し,海氷が黄色に着色することを確認した.これら微細藻類が増殖には,低温での光合成の維持が不可欠である.本研究では光合成の鍵酵素の一つRuBisCOに着目し,IceAlgaeと常温棲の近縁微細藻類のRuBisCOを比較することで,RuBisCOの低温での活性維持機構を検討した.培養を行なうことなくIceAlgaeコロニーから直接塩基配列を決定することで,これまで難しかったRuBisCOの塩基配列と一次構造を決定した.小サブユニットにはIceAlgae酵素に特徴的な共通の配列は認められなかったが,小サブユニットに特徴的なアミノ酸残基が存在することを明らかにし,これが16と17番のα-ヘリックスを接続するループにあたることを示した.低温での酵素の柔軟性に強く影響するわずかな変異が酵素の低温での活性の維持にきわめて重要である可能性を示唆した
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